FIFAワールドカップカタール2022の戦いを終えた日本代表が7日に帰国し、森保一監督や主将を務めた吉田麻也(シャルケ/ドイツ)らが記者会見に臨んだ。

 吉田は冒頭の挨拶で、「試合後に泣き過ぎて、そこから体調を崩して、今すこぶる体調が悪い」と笑顔を見せつつ、「結果が出ていないのに、こういうことを言うのはどうなのかなと思いますが、今までで一番短いW杯でしたけど、一番楽しかったです」と率直な思いを吐露。日本全体が応援してくれたことへの感謝を口にしつつ、日本代表としてプレーすることが「かけがえのないこと」だと日々実感していたことを明かした。

 そして、この代表チームが解散となったことへの寂しさを口にしつつ、「ここで歩みを止めてはいけない」と主張し、その中で「一人でも多くの子どもたちがフットボールを好きになってくれて、Jリーグを盛り上げて、日本のサッカーが少しでも一回りでも二回りでも成長していければ」とコメント。さらには、「自分もその一端を担えたのは嬉しいですし、もっともっと、これからも担っていきたいと思います」と言葉を紡いだ。

 また、キャプテンとして日本代表をまとめていく中で、自身の支えにもなったという二人の“戦友”であり、“先輩”でもある川島永嗣と長友佑都の存在についても言及。二人を「芯の強い男」と評し、「チームに与える影響は少なくなくて、良い面も悪い面もあると思うんですけど、常に良い形でチームに影響力を与えてくれたんじゃないかなと思います」と感謝しつつ、次のように続けた。

「川島選手が練習場にいるとクッと引き締まるし、長友選手がボール回しにいると盛り上がるんですよ。そういう熱量を彼らが持っていて、僕自身も大きな影響を受けたし、若い選手もそういう姿を見て、一流の選手とは、長く代表でやるにはという考え方を身につけていくんじゃないかと思いますし、日本代表でプレーする意味や覚悟を学んでいくことができるんじゃないかなと思います。僕自身も、若手も間違いなく感謝しているので、本当にブラボーな役割だったんじゃないかなと思います」

 解散前に伝えたメッセージについては、「感情的になっていてあまり覚えてない」としつつ、「日本代表の多くの選手が20代で、そんなに若くして自分の国を背負って仕事ができることは滅多にないこと、しかも自分の好きなサッカーで自分の国を背負って戦えることは誇り高き仕事だと思うので、こんなにいい仕事はないよと」と伝え、今後に向けた心構えと共に、メディアへの露出を要請したことも明かした。

「次の大会から予選の形式も変わって出場国数も変わるので、明らかにレベルの違う国と戦うこともあるかもしれないし、その中で移動も出てくる。自チームでの戦い、より高いところに身を置かないといけない中で、日本は欧州と物理的な距離もあって移動も大変ですけど、その中で大変な時こそ日本を代表して戦うことがどれだけ素晴らしいことかということを噛み締めて戦おうという話はしました。あとは、これから注目度が高まるので、たくさんメディアに出て露出を増やしてサッカー人気を加速させようということをお願いしたので、メディアの皆さんもぜひ、若い選手たちにオファーをお待ちしております(笑)」

 帰国時に多くのファンが待ち受けていたことについては「幸せな気持ちと言うか、素直に嬉しかったですし、本当なら一人ひとりと握手したいくらいでした」と笑みを見せ、「今回はより苦しい時期を皆んなで乗り越えて一緒に戦ったという気持ちが強いので、こういう一体感は嬉しかったです」と喜んだ。