FIFAワールドカップカタール2022・決勝トーナメント1回戦(ラウンド16)が6日に行われ、モロッコ代表はPK戦の末にスペイン代表を撃破。同国史上初となる準々決勝に駒を進めることが決まった。試合後のインタビューで、GKボノ(ヤシヌ・ブヌ)が喜びを露わにした。

 グループFを首位で通過したモロッコ代表は、グループEを2位で突破したスペイン代表と対戦。試合は序盤からスペイン代表にボールを握られる構図となったものの、モロッコ代表はコンパクトな守備でチャンスを与えず、時には鋭いカウンターでゴールを狙う。それでも、120分間が経過しても両チームのゴールネットが揺れることはなく、試合はPK戦にもつれ込んだ。

 このPK戦で大活躍を見せたのがボノだ。スペイン代表の1人目として登場したパブロ・サラビアのシュートは結果的にポストに嫌われたが、ボノは完璧な読みで反応していた。続く2人目のカルロス・ソレール、3人目のセルヒオ・ブスケツのキックはどちらもしっかりとセーブ。対するモロッコ代表は3人目を務めたバドル・バヌン以外のキッカー3選手が成功し、PK戦を制して史上初のベスト8入りを果たしていた。

 試合後、ボノは「モロッコ国民だけでなく、世界中の人々から温かい愛情と応援を感じた」とコメント「それらが、僕らが今まで積み上げてきた力を発揮するための原動力となっているんだ。試合中に僕を助けてくれたチームメイトのみんなに感謝しなければならない。試合ではものすごくハードワークしてくれた。その仕事ぶりに拍手するしかないね。今日、こうして手にすることができたプレゼントは、チームメイトやモロッコ代表を支える仲間たちのためのものだ」と、周囲への感謝を口にした。

 PK戦でヒーローとなったボノだったが、「言えることはあまりないよ。強いて言うなら気持ちの問題だ。そんなのわかってるだろう」とコメント。「今この瞬間は、自分が何を成し遂げられたのか、あまり実感が湧いていない」と正直な心境を明かしただけでなく、「この結果にはとても満足しているよ。この後も決して気を緩めることなく、目の前のことをしっかり考えていかなければならないね」と今後も見据えている。