オランダ代表GKアンドリース・ノペルト(ヘーレンフェーン)が、9日に行われるFIFAワールドカップカタール2022準々決勝アルゼンチン代表戦への意気込みを示した。8日にイギリスメディア『トークスポーツ』がコメントを伝えた。

 大会前には無名の存在だったが、オランダ代表のルイ・ファン・ハール監督は初戦のセネガル代表戦でノペルトを先発に抜てき。その後もラウンド16までの全試合でゴールマウスに立っている。2メートル3センチの恵まれた体躯を武器に好セーブを連発し、失点「2」、完封「2」の活躍でベスト8進出に貢献した。

 現在29歳のノペルトはヘーレンフェーンの下部組織出身。しかし、トップチームでの出番は得られずに放出され、NACブレダ、フォッジャ(イタリア)、ドルドレヒト、ゴー・アヘッド・イーグルスとスモールクラブを渡り歩いた。今季からヘーレンフェーンに復帰すると、エールディヴィジでクリーンシート6回の活躍が評価され、9月に代表初選出。カタールW杯で代表デビューを果たした“シンデレラボーイ”は次のように語る。

「小さい頃はワールドカップに出ることを夢見るものだ。僕のキャリアを見れば、その夢は捨て去ることができる。だけど、僕はそのために戦い続けた。ここにいることを誇りに思うし、これからも懸命に働かなければならない。それが一番大事なことだ」

 オランダ代表vsアルゼンチン代表が行われる『ルサイル・スタジアム』は、決勝戦も行われる約8万9000人収容の会場。当然ノペルトにとっては人生最大の舞台となるが、「多くの人のためにプレーするのだから、当然楽しみだ」と余裕しゃくしゃく。「確かに恐怖は感じない。試合が始まると緊張感はあるけど、それが普通だよ。もし、試合で緊張を感じなくなったら、やめたほうがいいね」と言葉を続けた。

 ノペルトが対峙するのは、自身と正反対のキャリアを歩んできたFWリオネル・メッシ(パリ・サンジェルマン/フランス)だ。メッシのPKに直面する可能性を問われると、「準備はできている。それに、彼だってミスするかもしれない。大会の初めに(アルゼンチン代表対ポーランド代表戦で)僕らが見たようにね。彼も僕らと同じように人間だ。彼は確かに上手いけど、僕にもPKはキャッチできるよ」と自信を示した。