「FIFA ワールドカップ カタール 2022」で、日本代表はドイツ代表、スペイン代表という強豪2カ国を倒し、世界中を驚かせた。決勝トーナメントではクロアチア代表にPK戦で敗れ、惜しくも目標のベスト8進出には届かなかったが、2度のジャイアントキリングは「ドーハの歓喜」と呼ばれ、帰国したチームは多くのサポーターたちに大歓声で出迎えられた。激闘の4試合を現地カタールで見届けたABEMA FIFAワールドカップの本田圭佑GMは、スペイン代表戦の後に元日本代表監督の岡田武史氏と対談。選手と監督という立場でワールドカップにも挑んだ2人だが、本田GMは「いい思い出より苦い思い出の方が多い」と振り返った。

【映像】岡田武史氏と本田圭佑GMの対談

 本田GMは2010年・南アフリカ大会、2014年・ブラジル大会、2018年・ロシア大会と、3大会連続でワールドカップに出場。10試合に出場し4ゴールを決め、2度のベスト16を経験している。歴代屈指のプレイヤーとして素晴らしい成績を収めているが、本人は「いい思い出より、苦い思い出の方が多いですよ。失敗したことばっかりが記憶に残っていて。いいゴールを決めたら人の記憶には残っているんだなっていうありがたい話はあるんですけど、聞かれないと自分のゴールは言わないですね。それよりも悔しい思い出の方がいっぱい残っています」と語った。「(PK戦で敗れた)パラグアイ戦もめちゃめちゃ悔しい思い出が残っているし、(逆転負けした)ベルギー戦も悔しい思い出が残っている。いい思い出より、やっぱりそっちが強いですね。それがいいかなと思っているし、自分には合っています。次々、チャレンジするのが好きなタイプなんで」と振り返った。

 岡田氏は、2010年の南アフリカ大会で本田GMを1トップで起用するという作戦を取ったことでも話題になった。当時については「1トップはトップにボールが収まらないと攻撃にならないから、前を向いて1人で突破してくれと思っていないと。そこで取られるなと。それはものすごく重要なこと。それを実行してくれたから、おれとしては本田が失敗しているというよりは、地道に努力して成長しているやつだなという感覚がすごくあった」と高く評価した。

 すると本田GMが「覚えてるんですよ。オランダでやった時に『お前、このままやったらワールドカップ呼ばへんぞ』みたいなこと言われた」と思い出を語ると、岡田氏は「違う、違う(笑)。あれはな、そんなこと言ったっけ(笑)」と大笑い。「(本田GMを)左に使って、右に(中村)俊輔使ったら、お前が全然よくなかった。『お前、右サイドじゃないとできないのか』と。そうしたら本田が『いや、僕が左でやらないといけないのわかっています。日本代表には右に俊輔さんいるのわかってますから、もう1回チャンスをくれ』って。へーって思った。それでもう1回チャンスをやろうと。ロシアで見た時に変わっていて、これはものになるかもしれないと、その時思った」と悔しさをバネにした本田GMの未来が見えた瞬間だったと語っていた。
(ABEMA/FIFA ワールドカップ カタール 2022)