クロアチア代表の主将MFルカ・モドリッチ（レアル・マドリード／スペイン）が、9日に行われたFIFAワールドカップカタール2022・準々決勝ブラジル戦を振り返った。同日、スペイン紙『ムンド・デポルティーボ』が伝えている。

　決勝トーナメント1回戦でPK戦の末に、日本代表を下したクロアチア代表は、準々決勝でブラジル代表と対戦。白熱した試合はスコアレスのまま延長戦に突入したが、延長前半15分に先制ゴールを決められてしまう。それでも、逆境に立てば立つほど強さを発揮するクロアチア代表は延長後半12分にFWブルーノ・ペトコヴィッチが同点ゴール。2試合連続のPK戦にまでもつれ込むと、GKドミニク・リヴァコヴィッチが再び立ちはだかり、PK戦を4－2で制して、2大会連続のベスト4入りを決めた。

　試合後、興奮冷めやらぬ様子のモドリッチは、スペインメディア『Gol Mundia』のインタビューに対して、「ゴールを決められたときは、危うく迷子になるところだった。誰もが僕たちは死んだと思っただろう。だけど、チームは決してあきらめないこと、僕たちの信念が巨大であることをもう一度示し、最後には同点に追いついたのだ」と快哉。続けて「PK戦では強いメンタリティを発揮できた。日本との試合でPK戦を制していたから、再びPK戦に突入した時は、当然ながら（勝つ）自信があった。先手を取り、その次が外れると、さらに自信は深まったよ。4年ぶりにまた準決勝に進出できて、とてもうれしい」と勝利の喜びを口にしている。

　またモドリッチは、所属クラブでのチームメイトでもあるブラジル代表FWロドリゴにも言及した。同試合のPK戦でブラジル代表の1番手のキッカーを担い、失敗したロドリゴに対して、モドリッチは「誰にでも起こりうること。ロドリゴは祝福されるべきだ」と強調。そして同選手は14年前、自身が“奇跡の餌食”になったあの試合を回顧し「2008年の（EURO・準々決勝）トルコ戦でPKを外した時、今の彼より数歳年上だった。簡単なことではないけど、きっとこの経験が彼を強くし、継続するための力となるだろう。だから僕は、『これできっと強くなる、それでいいんだ。大丈夫。誰もが失敗する』と励ましと力を与えてきた」とロドリゴとの試合後の一幕を明かしている。

　EURO2008で“ミラクル・ターキー”と謳われたトルコ代表の前に、悔しさを味わったモドリッチは、世界最高峰の選手にまで上り詰めた。同選手のことを“パドレ（父親の意味）”と慕うロドリゴはこの先、どのようなキャリアを歩むのだろか。