やはり、FIFA(国際サッカー連盟)は黙っていなかった。

 現地金曜日に行なわれたカタール・ワールドカップ準々決勝、アルゼンチン対オランダ戦はトラブル続きの大荒れゲームとなった。2-2からのPK戦をアルゼンチンが制する劇的な展開だったが、両チーム合わせて18枚のイエローカードが乱れ飛び、ファウルまがいのコンタクトプレーが続出。アルゼンチン代表のMFレアンドロ・パレデスがオランダ・ベンチにボールを蹴り込んだ際は、あわや大乱闘に発展かと危惧された。

 試合後には不可解なジャッジに終始したスペイン人主審に、両チームの選手やスタッフが詰め寄る場面も。リオネル・メッシがオランダのルイス・ファン・ハール監督に苦言を呈し、試合後のインタビュー時に相手FWのヴェウト・ヴェルホルストに激高するなど、試合終了後もいざこざが絶えなかった。

 一夜明けて、FIFAはその一戦における両チームの選手たちの振る舞いを調査すると発表。アルゼンチン・サッカー協会に対して、懲戒規定第12条(選手、関係者の不品行)と第16条(試合の秩序と安全性)に違反した可能性があるとして調査を開始し、同時にオランダ・サッカー連盟に向けても、第12条への違反行為を調べるとしたのである。
 
 これを受けてスペイン全国紙『AS』は、「準決勝(アルゼンチン対クロアチア戦)が火曜日に開催されるため、規律委員会は早急に結論を出さなければいけない」と指摘。そのうえで、アルゼンチン代表ではパレデス、エミリアーノ・マルティネス、メッシらが調査対象と見立てている。

 規律委員会の決定次第ではメッシが準決勝に出場できなくなる可能性もあるが、同紙は「実際に裁定が下される公算は低いだろう」と予測。はたしていかなる結論が出るのか、要注目だ。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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