10日、カタール・ワールドカップ(W杯)の準々決勝が終了。準決勝進出の4チームが出揃った。

ラウンド16では優勝候補が順当に勝ち上がりを見せたが、前ラウンドとは打って変わっていずれの試合も大接戦となった準々決勝はグループステージ同様に波乱が起こった。

準々決勝初戦のクロアチアとブラジルの一戦では地力の差に加え、日本代表とPK戦までもつれ込む激闘を演じたクロアチアのフィジカル面の消耗によって大本命ブラジル優位と思われたが、不屈のクロアチアが善戦。

FWネイマールのペレ氏に並ぶ歴代最多ゴールによってブラジルが延長前半に先制も、クロアチアは伏兵FWブルーノ・ペトコビッチの延長後半の土壇場ゴールで追いつくと、PK戦ではGKドミニク・リバコビッチが日本戦に続く圧巻の活躍をみせ、チームを2大会連続のベスト4進出に導いた。

永遠のライバルであるブラジルの敗退の知らせを聞きより一層気を引き締めてオランダ戦に臨んだアルゼンチンは、FWリオネル・メッシの1ゴール1アシストの活躍で後半終盤まで2点リードで試合を進める。だが、オランダの決死のパワープレーによって土壇場で2失点を喫して延長戦、PK戦まで持ち込まれる。それでも、守護神エミリアーノ・マルティネスの活躍もあり、2014年W杯の前回大会同様にPK戦を勝ち切って2大会ぶりの4強入りを決めた。

今ラウンドでブラジル撃破のクロアチア以上に世界を驚かせたのは、アフリカ勢とアラブ勢の期待を一身に背負うモロッコ。前ラウンドでスペインを撃破した“アストラの獅子”は、同じリベリア半島勢のポルトガルと対戦。

スイスに6-1で勝利した絶好調の相手に対して苦戦必至と見られたが、前半にFWユセフ・エン=ネシリが奪ったゴールを最終盤には退場者を出しながらも守り抜き、カナダ戦で喫したオウンゴールを除きまたしても相手の攻撃を完封。FWクリスティアーノ・ロナウドのラストダンスとなった優勝候補を撃破し、アフリカ勢として初となるベスト4進出の快挙を成し遂げた。

大会連覇を狙う王者フランスと、優勝候補イングランドが早くも対峙した“事実上の決勝戦”とも評された欧州の強豪対決は、ディフェンディングチャンピオンに軍配。

MFオーレリアン・チュアメニのスーペルゴラッソで幕を開けた試合は徐々にイングランドが押し返した中、後半立ち上がりに得たPKをFWハリー・ケインが冷静に決めて1-1の振り出しに。以降はイングランドペースも、FWアントワーヌ・グリーズマンとのホットラインからFWオリヴィエ・ジルーが78分に値千金の勝ち越し点を奪取。その後、イングランドは2度目のPKを得たが、これをケインが枠外に外してしまうと、このまま逃げ切ったフランスが貫録勝ちを収めた。

なお、準決勝はアルゼンチンvsクロアチア、フランスvsモロッコの君合わせとなった。

準々決勝の結果および準決勝以降の日程は以下の通り。

★決勝トーナメント日程・結果

◆準々決勝・結果
▽12/9(金)
クロアチア代表 1-1(PK:4-2) ブラジル代表
オランダ代表 2-2(PK:3-4) アルゼンチン代表

▽12/10(土)
モロッコ代表 1-0 ポルトガル代表
イングランド代表 1-2 フランス代表

◆準決勝
▽12/13(火)
《28:00》
アルゼンチン代表 vs クロアチア代表
[Match 61]

▽12/14(水)
《28:00》
フランス代表 vs モロッコ代表
[Match 62]

◆3位決定戦
▽12/17(土)
《24:00》
[Match 61]の敗者 vs [Match 62]の敗者

◆決勝
▽12/18(日)
《24:00》
[Match 61]の勝者 vs [Match 62]の勝者