フランスとの対戦は少し早すぎたか

FIFAワールドカップ・カタール大会はすでにベスト4まで進んでおり、敗れた他チームは指揮官の退任など動きを見せている。フランスに敗れたイングランド代表もその一つであり、ガレス・サウスゲイト監督の去就は明かされていない。

英『BBC』では元ニューカッスルのストライカーであるアラン・シアラー氏がサウスゲイト監督の続投を期待している。

1966年に自国開催でW杯を制して以降、イングランドは一度もファイナルに進めていない。4位となった1990年大会からは苦戦が続いており、2014年のブラジル大会ではグループステージ敗退を経験している。

サウスゲイトが監督になったのは2016年で、サム・アラダイスからチームを引き継いだ。その後、2018年のW杯・ロシア大会では4位の好成績を残し、続くEURO2020では準優勝。今大会はベスト8止まりだが、優勝する可能性が高いフランス相手に善戦できたと考えれば悪くない結果に終わったといえる。

シアラー氏がサウスゲイト監督の続投を期待する理由はいくつかあるが、その一つは選手からの忠誠心の高さだ。シアラー氏は「彼らはみな、彼(サウスゲイト監督)のことが好きで、尊敬しているように見える。彼の下でのプレイを楽しんでいる」と話しており、これは非常に重要なことだ。監督は試合の戦況を変えられる戦術的な一面を求められるが、それと同じくらい求心力のある監督でなければならない。それはトレーニング期間の短い代表チームではなおさらだ。

もちろん改善点はある。フランス戦に限らず、イングランドの攻撃は個に依存しており、リズムを変えられる選手の不在が目立った。フランスのアントワーヌ・グリーズマンのような選手がいれば、また結果は変わっていたかもしれない。

プレミアリーグのクラブの成長もあってどんどん若く優秀な選手が育っているイングランド。ジュード・ベリンガム、フィル・フォーデン、ブカヨ・サカがその筆頭であり、ドイツで開催されるEURO2024での活躍に期待だ。