スタメンで固定しても良いタレントだ
ベスト8でモロッコ代表に0-1で敗れ、FIFAワールドカップ・カタール大会での戦いを終えたポルトガル代表。話題を呼んでいるのは、指揮官フェルナンド・サントスの采配だ。
今のポルトガルはイングランド・プレミアリーグで活躍している者を中心に優秀なタレントが多く揃っており、ユース年代で結果を残した若手も続々とA代表へ入ってきている。タレント的には優勝を狙える力があったはずで、ポルトガル歴代最高のタレント集団だったとも言える。問題は指揮官サントスがそれを活かし切れていたかどうかだ。
気になるのは、昨季ミランでスクデット獲得に貢献したFWラファエル・レオンの起用法だ。
ビッグクラブが獲得に関心を示しているレオンは、今回のカタール大会で83分間しか出番をもらっていない。ベルナルド・シウバ、ブルーノ・フェルナンデス、クリスティアーノ・ロナウド、ジョアン・フェリックスなど2列目から前線にかけて優秀なタレントが集まっているため仕方のないところもあるが、レオンは83分間で2ゴールときっちり結果を出している。
さらにドリブル成功数も83分間でチームトップとなる6回を記録しており、ミランで急成長するレオンの能力は特別だ。ベルナルド・シウバやブルーノ・フェルナンデス、ジョアン・フェリックスもテクニックはピカイチだが、ややスピードに欠ける。それは37歳を迎えているロナウドにも言えることで、レオンならばもっと縦への推進力をプラスできたはずだ。
敗れたモロッコ戦でもレオンは途中出場となっており、スペイン『as』はもう少しレオンに出番を与えるべきだったと振り返っている。実力的にはスタメンで固定しても良かったはずだ。
サントスがポルトガル代表監督に就任したのは2014年のことだ。EURO2016は制したが、選手の起用法に関しては疑問の声もあった。今回はモロッコの戦いが見事だったとはいえ、これだけのタレントを擁しながらベスト8敗退は決して合格とは言えないだろう。
ロナウドの今後は分からないが、ベスト16のスイス戦でハットトリックを記録したFWゴンサロ・ラモスなど楽しみな若手は育っている。レオンを含めこのタレントたちをどう活かしていくのか。優勝を狙うだけの力はあるはずで、EURO2024への課題はそこにある(数字は『WhoScored』より)。