VfBシュツットガルト所属の日本代表DF伊藤洋輝(23)は、FIFAワールドカップ・カタール大会(カタールW杯)に参戦。先月27日のコスタリカ戦でMF三笘薫(ブライトン)にほとんどパスを出さなかったことで批判を浴びていた。その伊藤洋輝にはローマ移籍の可能性が取りざたされているが、セリエA挑戦において大きな問題点があるようだ。12日、イタリアメディア『フットボールニュース24』が報じている。

 伊藤洋輝の去就については、イタリア紙『ガゼッタ・デッロ・スポルト』が先月中旬にローマからの関心を報道。ローマの専門サイト『ローマ・ニュース』はアルバニア代表DFマラシュ・クンブラ(22)のローマ退団を前提条件に挙げた上で「VfBシュツットガルトは伊藤洋輝の価値を1000万ユーロ(約14億5000万円)と評価している。ただローマは600万ユーロ(約8億7000万円)以上を支払うことを望んでいない」と見解を述べていた。

 一方でVfBシュツットガルトのアレクサンダー・ウェラ会長は、クラブが財政難により来年1月の現有戦力放出に迫られているとの噂を否定。今月7日、ドイツ・シュツットガルトの地元紙『シュツットガルター・ナハリヒテン』のインタビューで「この冬に選手を売らざるを得ないということはない」とコメントを残している。

 そんな中『フットボールニュース24』は「来夏の移籍市場にむけて、ローマは伊藤洋輝とエバン・ヌディカに注目」と見出しをうち、アイントラハト・フランクフルトで日本代表MF鎌田大地(26)とチームメイトのフランス代表DFエバン・ヌディカ(23)も獲得候補に挙げている。

 その上で伊藤洋輝については「かなり若く、VfBシュツットガルトの柱である。VfBシュツットガルトは移籍金として1000万ユーロを要求しているが、この日本代表選手のクオリティを踏まえると妥当な金額だ」と高く評価。ただ一方で「ローマにとって問題となるのは、彼がEU圏外枠の選手であることだ」と主張。セリエA独特のEU圏外枠選手獲得におけるルールの存在を指摘している。

 またヌディカについては、フランクフルトとの契約期間が来年6月までであることに言及。アーセナルをはじめ他クラブとの争奪戦が必至との見解を示している。

 なお伊藤洋輝は昨年6月にジュビロ磐田からVfBシュツットガルトへ移籍すると、海外挑戦1年目から3バックの一角でレギュラーに定着。今季もここまでブンデスリーガ15試合中12試合に先発出場。主力選手として日本代表MF遠藤航(29)とともにチームをけん引している。

 またVfBシュツットガルトがジュビロ磐田に支払ったレンタル料は10万ユーロ(当時約1300万円)、買い取りオプション行使額は40万ユーロ(約5200万円)と伝えられている。