モドリッチ世代を引き継ぐ新たなるリーダー
大会前は4年前ほどの力はないとの声も多かったが、クロアチア代表は見事にFIFAワールドカップ・カタール大会ベスト4まで勝ち上がってきた。4年前のロシア大会が世代的にピークかとも考えられていただけに、カタール大会での再びの躍進に驚いたサッカーファンもいるだろう。
前線の要だったマリオ・マンジュキッチが現役を離れるなど難しい部分もあったが、新たに楽しみな若手も出てきた。その筆頭格が最終ラインを統率するライプツィヒ所属の20歳DFヨシュコ・グヴァルディオルである。
ベスト16で日本代表もクロアチアと対戦しているだけに、グヴァルディオルの守備技術の高さは日本のサッカーファンも知るところだ。前田大然、浅野拓磨のスピードもあっさりと封じられてしまい、グヴァルディオルを攻略できる気配はまるで感じられなかった。スピードスターへの対応もパーフェクトだったと言える。
ブンデスリーガ公式は今大会の活躍から「すでにグヴァルディオルは現ブンデスリーガ最高のセンターバックではないか」と主張している。これで20歳というのが恐ろしいところで、大会後にビッグクラブが争奪戦を繰り広げるのは間違いない。
ブンデスリーガならばバイエルンでプレイするオランダ代表DFマタイス・デ・リフト、フランス代表DFダヨ・ウパメカノなど、このカタール大会に出場している実力者たちも忘れてはならない。しかし、今大会におけるグヴァルディオルのインパクトは彼らを上回っている。
ここまでクリア回数は大会最多となる32回を記録し、1試合平均パス本数もクロアチア代表ではMFマルセロ・ブロゾビッチに次いで2番目に多い77本を記録。パス成功率も89.1%と安定している。年齢的にまだまだ伸ばせるだろうが、組み立ての部分も隙はない。
同サイトはルカ・モドリッチが代表を去ったあとはグヴァルディオルがクロアチア代表のリーダーになっていくはずと見ているが、すでにグヴァルディオルにはリーダーの風格が漂う。準決勝ではアルゼンチンと対戦するが、リオネル・メッシを軸とする攻撃をも抑え込めるのか。グヴァルディオルの登場、さらにベテランのデヤン・ロヴレンの奮闘もあり、クロアチアの守備は4年前より明らかに強化されている。