ブラジルはW杯準々決勝でクロアチアにPK戦の末に強調

 ブラジル代表は、現地時間12月9日に行われたカタール・ワールドカップ(W杯)準々決勝でクロアチア代表にPK戦の末に敗れてベスト8で敗退となった。1ゴールをマークしたブラジルのエースFWネイマールは、「間違いなく最も傷ついた敗北」と胸中を吐露するなど傷心していたが、OBのFWロナウド氏は、プレッシャーの大きいサッカー選手には心理学者を付けるべきだと持論を展開している。インド紙「インディアン・エクスプレス」が伝えた。

 ブラジル対クロアチアの一戦は0-0のまま延長戦へ突入したなか、延長前半終了間際にFWネイマールのゴールでブラジルが先制。ネイマールはこの一撃で代表通算77得点目とし、英雄ペレ氏が持つ歴代最多得点記録に並ぶ偉業を成し遂げた。

 しかし延長後半12分、クロアチアWブルーノ・ペトコビッチが同点ゴールを奪いPK戦へ。日本代表とのPK戦でも活躍したクロアチアのGKドミニク・リバコビッチが、ブラジル1人目のFWロドリゴのキックを見事にセーブ。ブラジル4人目のDFマルキーニョスも失敗し、PKスコア4-2でクロアチアが勝利を収めた。

 ネイマールは12月10日にインスタグラムを更新し、「僕は精神的に打ちのめされている」と投稿。「間違いなく最も傷ついた敗北だった。10分間呆然とし、その後涙が止まらなかった。残念だけど、長い間にわたって痛い傷になるだろう。僕らは最後まで戦った。献身性に欠けていたわけでもないし、チームメイトを誇りに思う。このグループは、僕らは、ブラジルは勝利に値する……。でも、それは神の意思ではなかった」と無念の胸中を吐露していた。

 一連の報道を受けて、W杯出場4回、2002年の日韓大会では優勝と得点王に輝いた元祖“怪物”のロナウド氏はブラジル地元紙「フォーリャ・ジ・サンパウロ」で「ネイマールの負担は大きい。落ち込んだり、悲しくなったり、やる気を失ってしまっても仕方ない。ただ、その失望は一時的なもので、変わらぬ意欲をもって再び戻ってくるだろう」と現エースをかばった。

 ブラジル代表を率いたチッチ監督は、カタールW杯のチームに心理学者を含めなかったとして、ブラジルメディアで批判されているという。自身も過去3年間、心理療法を受けてきたロナウド氏は、その重要性を改めて訴えている。

「私はアスリートにモニタリングを取り入れることを勧めたい。ネイマールには心理的な支えが必要だ。プレーする者すべてに言えることだが、大変な重圧がかかっているからだ」

 ネイマールのようなスーパースターでも涙するほどの失意。そういった試練を乗り越えて喜びを掴むものではあるが、そのダメージは測り知れないものだとロナウド氏は説いていた。(FOOTBALL ZONE編集部)