クロアチアをも上回るアルゼンチンのハードワーク
MATCH 61 準決勝
2022年12月13日22:00キックオフ(会場:ルサイル・アイコニック・スタジアム)
アルゼンチン 3-0 クロアチア
ベスト16で日本、ベスト8でブラジルをPK戦の末に撃破してきたクロアチア。120分の戦いを制してきた原動力はチーム全員のハードワークにあり、絶えず走り続けるスタミナとルカ・モドリッチら中盤を軸としたテクニックで勝ち上がってきた。
しかし、それはアルゼンチンも同じだ。今のアルゼンチンはこのゲームでも中盤で先発したロドリゴ・デ・パウル、アレクシス・マカリスター、エンソ・フェルナンデスらが本当によく走る。
前線でリオネル・メッシとコンビを組むフリアン・アルバレスも同じで、絶対的キングのメッシを支えるべく全選手がハードワークできる。
この準決勝でも、ハードワークではアルゼンチンが上回っていた。34分にメッシがPKから先制点を挙げると、その4分後にはアルゼンチンがカウンターアタック。ハーフウェイライン付近でアルバレスがボールを持つと、そこからドリブルを開始。このときも戻るクロアチアの選手より、アルバレスを追い越すアルゼンチンの選手の方が勢いがあった。味方がコースを作ってくれたこともあり、アルバレスはそのままペナルティエリアへ侵入。最後はラッキー要素もあったが、相手DFに当たってこぼれたボールをアルバレスが押し込んで2-0。クロアチアにとっては重すぎる2点目となってしまった。
グヴァルディオルをも粉砕したメッシが2度目のW杯決勝へ
アルゼンチンは今大会初戦のサウジアラビア戦こそ落としたものの、それまで36戦連続無敗を続けていたチームだ。リードを守ることには慣れており、後半にはDFリサンドロ・マルティネスも投入して守備面を補強。クロアチアはミスラフ・オルシッチやブルーノ・ペトコビッチらを入れて攻勢を仕掛けたが、アルゼンチンの守備は崩れない。
仕上げはメッシだ。試合を重ねるごとに調子を上げているようにも見えるアルゼンチンのキングは、前半から自慢のドリブルでクロアチア守備陣を翻弄。
圧巻は69分。右サイドでボールを持ったメッシは、日本とブラジルを苦しめた20歳のDFヨシュコ・グヴァルディオルを華麗なターンで突破。今大会最高級の輝きを放っていたグヴァルディオルがあっさりとかわされ、最後はメッシから中のアルバレスへパスが通って3-0。売り出し中の若手センターバックでも1対1でメッシを止めることは出来なかった。
試合はそのまま3-0で終了し、アルゼンチンが決勝へ。メッシは2014年のブラジル大会以来となる2度目の決勝で、フランスVSモロッコの勝者を待ち受ける。
[スコア]
アルゼンチン 3-0 クロアチア
[得点者]
アルゼンチン
34分 リオネル・メッシ(PK)
39分 フリアン・アルバレス
69分 フリアン・アルバレス
[ポゼッション]
アルゼンチン 35% クロアチア 52% 中立 13%
[シュート数]
アルゼンチン 10本 クロアチア 12本
[枠内シュート]
アルゼンチン 7本 クロアチア 2本
[イエローカード]
アルゼンチン 2枚
クリスティアン・ロメロ
ニコラス・オタメンディ
クロアチア 2枚
ドミニク・リバコビッチ
マテオ・コバチッチ
[レッドカード]
なし
[ラインナップ]
アルゼンチン
フォーメーション:[4-4-2]
監督:リオネル・スカローニ
GK
エミリアーノ・マルティネス(アストン・ヴィラ/イングランド)
DF
ナウエル・モリーナ(アトレティコ・マドリード/スペイン)
クリスティアン・ロメロ(トッテナム/イングランド)
ニコラス・オタメンディ(ベンフィカ/ポルトガル)
ニコラス・タグリアフィコ(オリンピック・リヨン/フランス)
MF
ロドリゴ・デ・パウル(アトレティコ・マドリード/スペイン)
アレクシス・マカリスター(ブライトン/イングランド)
レアンドロ・パレデス(ユヴェントス/イタリア)
エンソ・フェルナンデス(ベンフィカ/ポルトガル)
FW
フリアン・アルバレス(マンチェスター・シティ/イングランド)
リオネル・メッシ(パリ・サンジェルマン/フランス)
交代出場
62分 レアンドロ・パレデス→リサンドロ・マルティネス(マンチェスター・ユナイテッド/イングランド)
74分 ロドリゴ・デ・パウル→エセキエル・パラシオス(レバークーゼン/ドイツ)
74分 フリアン・アルバレス→パウロ・ディバラ(ローマ/イタリア)
86分 アレクシス・マカリスター→アンヘル・コレア(アトレチコ・マドリード/スペイン)
86分 ナウエル・モリーナ→ファン・フォイス(ビジャレアル/スペイン)
クロアチア
フォーメーション:[4-3-3]
監督:ズラトコ・ダリッチ
GK
ドミニク・リバコビッチ(ディナモ・ザグレブ)
DF
デヤン・ロブレン(ゼニト/ロシア)
ボルナ・ソサ(シュトゥットガルト/ドイツ)
ヨシュコ・グヴァルディオル(ライプツィヒ/ドイツ)
ヨシップ・ユラノビッチ(セルティック/スコットランド)
MF
マテオ・コバチッチ(チェルシー/イングランド)
ルカ・モドリッチ(レアル・マドリード/スペイン)
マルセロ・ブロゾビッチ(インテル/イタリア)
FW
イヴァン・ペリシッチ(トッテナム/イングランド)
アンドレイ・クラマリッチ(ホッフェンハイム/ドイツ)
マリオ・パシャリッチ(アタランタ/イタリア)
交代出場
46分 ボルナ・ソサ→ミスラフ・オルシッチ(ディナモ・ザグレブ)
46分 マリオ・パシャリッチ→ニコラ・ヴラシッチ(トリノ/イタリア)
50分 マルセロ・ブロゾビッチ→ブルーノ・ペトコヴィッチ(ディナモ・ザグレブ)
72分 アンドレイ・クラマリッチ→マルコ・リバヤ(ハイドゥク・スプリト)
81分 ルカ・モドリッチ→ロブロ・マイェル(レンヌ/フランス)