注目の一戦となる

FIFAワールドカップ・カタール大会も残すところ3試合だ。ラウンド4のフランス対モロッコ、3位決定戦、ファイナルでこの祭典は幕を閉じる。

フランスは優勝候補筆頭であり、決勝でアルゼンチンと対戦することになると予想する声が多い。

そう思わせる一つの要因はハイクオリティな攻撃陣だ。3トップは左からキリアン・ムバッペ、オリヴィエ・ジルー、ウスマン・デンベレが並び、ここまでの5試合で11ゴールを挙げている。とくにムバッペは要注意人物の一人であり、5試合で5ゴール2アシストの大暴れだ。

英『The Athletic』ではフランス対モロッコの前に見るべきポイントをいくつか紹介している。

まず一つはどのチームも苦戦することになるムバッペの対策だ。ラウンド8で対戦したイングランドはカイル・ウォーカーをムバッペにぶつけ、献身的な味方のサポートもあって完封することができた。

同メディアでモロッコはイングランドの真似をすべきだと主張している。

ムバッペの攻撃は脅威だが、対面するアクラフ・ハキミと味方のサポートがあればある程度の行動は制限することができる。ハキミはパリ・サンジェルマンでムバッペとチームメイトであり、対ムバッペにこれほど適任な存在はいない。

イングランドはムバッペが守備時に空けるスペースを執拗に突いた。右サイドではブカヨ・サカが起点となって良い位置でFKを得る場面もあった。モロッコの右サイドにはハキム・ツィエクがおり、同様の効果が期待できる。

モロッコはムバッペばかりに気を取られてはならない。アントワーヌ・グリーズマンにも警戒する必要がある。

クラブではバルセロナ移籍後、難しいキャリアを送っているグリーズマンだが、代表では好調だ。ゴールこそないが、今大会は全5試合に出場しており、3アシストを記録している。イングランド戦ではジルーのゴールをアシストした。

グリーズマンは相手のDFとMFの間で上手くボールを受けることができる選手であり、強力な3トップを操る。守備時の献身性も抜群であり、フランス代表でプレイしている時が彼の本当の姿だ。

ここまで11ゴールを奪うフランス対未だ1失点しかしていない堅守のモロッコ。守護神ヤシン・ブヌはポルトガル戦でも好セーブを連発しており、フランスの前に立ちはだかる壁となるのだろうか。