準決勝で快進撃を見せてきたモロッコに2-0で勝利

 フランス代表MFアントワーヌ・グリーズマンは、現地時間12月14日に行われたカタール・ワールドカップ(W杯)準決勝のモロッコ代表戦(2-0)で直接的なゴールやアシストはないものの、この試合の最優秀選手として表彰を受けた。それも納得のパフォーマンスで、チームの中心で大車輪の活躍を見せて決勝進出に大きく貢献した。

 グリーズマンは今大会で4-2-3-1のトップ下に入り、1トップのFWオリビエ・ジルーの周囲を動きつつチーム最多の3アシスト。国際サッカー連盟(FIFA)のスタッツではチーム内で最多回数の相手最終ライン背後への抜け出しをトライと成功回数を記録するなど、ダイナミックな動きを見せている。

 そのグリーズマンは前半5分、ここでも背後への抜け出しに成功するとFWキリアン・ムバッペにパスをつなぎ、ムバッペのシュートのこぼれ球をDFテオ・エルナンデスがジャンピングボレーで叩き込んで先制した。後半はモロッコの攻勢に対して最終ライン近くまで下がって奮闘する姿を見せた。衛星放送「スカイ・スポーツ」などに登場するアナリストのスタットマン・デーブ氏はツイッターに、この日のグリーズマンが攻撃的なプレーのスコアだけでなく「地上戦のデュエル6勝」「クリア3回」「タックル2回」「インターセプト2回」といった守備的なスコアでもいい数字を残していることを投稿した。

 試合後のグリーズマンはフランス紙「レキップ」に対して、「モロッコの選手たちは戦術的に、攻撃だけでなく守備でも素晴らしい仕事ぶりで、強い印象を与えられた。彼らはフランス代表に多くの問題を起こしたが、(ディディエ・デシャン)監督がそれに気づいて左サイドにマルクス(・テュラム)を入れて、テオ(・エルナンデス)を助ける選手が増えて落ち着いた。早い時間帯に先制できて、2点目を取れた時点で安心できた試合だった」と話している。

 これでフランスは前回大会に続く決勝進出で、グリーズマンにとっても2大会連続になる。前回の決勝進出について「(準決勝の)ベルギー戦の後に泣いてしまっていた。今はもっと落ち着いていて、すでに日曜日の決勝戦のことを考えているし、地に足がついている。集中して、いい回復をして、明日(現地15日)から決勝戦に向けた準備をしなければならない」と話す。

 決勝の対戦相手は主将のFWリオネル・メッシが悲願の初優勝を果たせるかと注目されるアルゼンチン代表。メッシは長年FCバルセロナでプレーした選手だけに、プロのキャリアをスペインで過ごしてきたグリーズマンにとっては元チームメイトであり、同じリーグで戦う相手チームの選手であり、よく知る相手と言える。

 それだけに「あるチームにレオ(メッシ)がいると、それで全く違うものになる。ほとんどの試合を見ているけど、難しい相手になる。調子もいいし、僕たちと同じようにイキイキしている。簡単な試合にはならないだろう。彼らにもまた素晴らしいサポーターがいる。明日から、何ができるか準備していきたい」と、優勝を争う最後の相手について語っていた。(FOOTBALL ZONE編集部)