現地時間12月13日に行なわれた、カタール・ワールドカップ(W杯)の準決勝で、アルゼンチンは3-0でクロアチアを破り、2大会ぶり6度目の決勝進出を決めた。

 この試合でアルゼンチン主将リオネル・メッシは1ゴール・1アシストと躍動。マン・オブ・ザ・マッチにも選出された。得点やアシストを量産して、ここまで文字通り大活躍するエースは、今大会が最後のW杯だと公言。最後の舞台が決勝となることに、「こんなに理想的なワールドカップでのキャリアの終え方はない」と口にしていた。

 そんなメッシに対して、アルゼンチン公共放送『TPA』のソフィア・マルチネスさんがかけた言葉が話題を呼んでいる。

 スペイン紙『MARCA』などによれば、ミックスゾーンでメッシを迎えたマルチネスさんは、いくつかの質問の後、「これはクエスチョンではなくて、あなたに伝えたいこと」と切り出したという。
【動画】「勝っても負けても、結果がどうあれ…」語り掛けた女性レポーターと、嬉しそうにその言葉を聞くメッシ
「あなたにこれだけは伝えたい。ワールドカップの決勝という舞台で、私たちアルゼンチン人はみんな、優勝してほしいと思っている。けれど、勝っても負けても、結果がどうあれ、誰もあなたから奪えないものがある。あなたは、アルゼンチンの人たち、一人ひとりと共鳴している。あなたのユニホームを持っていない子どもはいない。それがたとえ本物でも、偽物でも、ハンドメイドのものであっても。あなたは、私たち全員の心に間違えようのない足跡を残している。これは、私にとってはワールドカップで優勝する以上のものであると思う」

 そして、「これこそ、誰もあなたから奪うことはできないもの」と続けた。

「私たちに、多くのファンに幸せを運んでくれて、本当にありがとう。もしこの言葉を覚えてくれていたらとても嬉しい。本当にありがとう、キャプテン」

 同紙はそれを聞いたメッシは深く頷き、やや目を潤ませながら「僕はそれをずっと感じている。ありがとう」と応えたそうだ。

 この様子がSNSや海外メディアでシェアされると、ファンからは「涙が出る」「メッシがここまでプレーしてくれたことに感謝」「たとえ傷ついても、僕らはレオと共にある」といった声が上がっている。

 世界的名手のW杯でのラストステージ。その姿は、世界のフットボールファンが目に焼きつけるべきものとなるはずだ。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部