カタール・ワールドカップも残すところ2試合となった。12月17日にクロアチアとモロッコの3位決定戦、18日にアルゼンチン対フランスの決勝戦が行われる。

 閉幕が近づくなか、英衛星放送『Sky Sport』は16日、複数の記者たちがそれぞれ今大会における「ベスト」を選出した。大会を彩った最高の選手やゴール、ブレイクした選手、最高の試合、監督を各々がピックアップしている。

 ベストマッチ部門では、ひとりの記者が日本対スペインの一戦を取り上げた。堂安律と田中碧のゴールで日本が後半に2-1と逆転勝利し、グループ首位通過を決めた一戦だ。

「アルバロ・モラタの先制点でスペインが予想どおりに勝つと思われたが、彼らの相手は後半になって一瞬で試合をひっくり返した。ドウアンの同点弾と、視点による錯覚を示す自作の模範がツイッター上で話題となり、議論を呼んだタナカの決勝点。これはスペインに大きなショックを与え、その後彼らは驚きのベスト16敗退へと向かった」
 
 三笘薫が折り返し、田中が押し込むかたちで決めた決勝点が、ゴールラインを割っていたかどうかで世界中の議論を呼んだのは記憶に新しい。「三笘の1ミリ」で日本が勝ち越すと、グループEは大混戦の様相を呈した。他会場でコスタリカがドイツに逆転したときは、スペインとドイツという欧州の強豪2チームがそろってグループステージで敗退する可能性もあったのだ。

 決勝トーナメント進出を懸けた争いが目まぐるしく二転三転したグループEの最終節を、大会の「ベストモーメント」に選んだ記者たちもいる。ひとりの記者は「最終節のドラマをまったく新たなレベルとした」との見解を示した。

「初戦でスペインがコスタリカに7-0と圧勝したが、議論を呼んだ日本のゴールでビハインドを背負い、コスタリカがセンセーショナルにドイツ相手にリードを奪ったときには、スペインが敗退に向かったほどだ。ルイス・エンリケのチームは最終的に突破を果たしたが、ドイツは救われなかった。日本がグループ首位通過を果たしたからだ」

 また、別の記者は「コスタリカがドイツをリードしたあの数分、彼らは日本と一緒にグループステージを突破できる状況になった」と述べている。

「過去12年で優勝を経験したスペインとドイツが、同組だったグループステージで敗退するワールドカップを想像してみてくれ。日本がおとぎ話のような結末を迎え、あの夜のドラマティックさと緊張感は素晴らしいものだった」

 日本は目標に掲げた史上初のベスト8進出を果たすことができなかった。だが、今大会で印象に残る戦いを繰り広げてくれたことは間違いない。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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