フランス代表GKウーゴ・ロリスがPK戦の末に敗れたアルゼンチン代表戦を振り返った。

史上3カ国目となる連覇を目指したフランスは、18日に行われたカタール・ワールドカップ(W杯)の決勝でアルゼンチンと対戦。3-3のスコアで120分の戦いを終えたが、PK戦に2-4で敗れて無念の準優勝となった。

今大会の最終盤に入ってウイルス蔓延の影響で多くの選手が体調不良に苦しめられたレ・ブルーは、現状のベストメンバーを決勝のピッチに送り込んだ。しかし、その前半はアルゼンチンのパフォーマンスレベルが非常に高かったことを差し引いても、前大会王者のパフォーマンスは芳しくなく、2点ビハインドに加えシュート0という屈辱的な内容だった。

それでも、2度の交代機会を使って徐々に盛り返すと、FWキリアン・ムバッペの圧巻の活躍もあって2点のビハインドを撥ね返す。その後、延長戦でも再び追いつく気概を見せたが、最終的には前半と後半序盤の不出来が響き、悲願の連覇達成を逃した。

同試合後、キャプテンで守護神を務めるロリスが失意の一戦を振り返った。フランス『レキップ』が伝えている。

「痛みを和らげる言葉はないよ。個人として言葉を見つけるのは難しいけど、最初から最後までやり遂げたことを誇りに思うよ」

「僕らはこの大会を諦めなかったし、この決勝で強い反発力を示した。ただ、自分たちが少し受け身になりすぎていたと感じているよ。ボクシングの試合にたとえれば、一発、一発に頼りすぎてしまった。ファイナリストと勝者の違いは計り知れないほど大きいよ」

「悔やまれるのは、前半を完全に無駄にしてしまったことだ。すべての局面で相手に食らいつかれてしまった。後半は別の意図を持ってカムバックできた。キリアンの才能もあって、大事な場面で流れを引き寄せる術を知っていたおかげで、僕らはやり遂げることができた」

「延長戦はちょっとクレイジーだったね。3-3の状況で得点できる2つのチャンスもあっただけに、痛みを感じているよ。だけど、起こったことすべてにおいて、このチームを評価しなければならない。僕らは2018年大会のチャンピオンとしてタイトルに立ち向かったんだからね」

「0-2で突き放されてしまい、決して良いコンディションではなかったけど、それでも巻き返すことができた。それも2回もだ。ある時点で、必要なリスクを冒し、イーブンに戻すまでには大きな努力が必要だったけど、自分たちが戦い続けられるという確信があったんだ」

「この大会がフランスの未来につながると信じているよ。キャリアの最終段階に到達した世代と、このトーナメントで強力なリーダーシップを発揮したキリアンが率いる新しい世代との間の引き継ぎのようなものであり、この決勝ではまさにそういう状況だった。とにかく、このチームをトップにとどめておかなければならない」

また、今大会でフランスの最多出場記録を145試合に更新したロリスだが、今月26日に36歳となるため代表引退の可能性も指摘される。ただ、自身の今後の去就に関しては明言を避けている。

「(去就に関する)その質問には答えたくない。その決断を下すには少し考えるための時間が必要だ。おそらく、数週間後には分かるよ。僕らは厳しいトーナメントを戦ってきて疲れ果てている。自分自身を見つめ直すには少し時間が必要なんだ」