現地時間12月18日、カタール・ワールドカップ(W杯)の決勝戦が行なわれ、アルゼンチンがPK戦の末に前回王者フランスを下し、36年ぶり3度目の優勝を果たした。

 悲願のタイトルを手にしたメッシは、表彰式でキャプテンとして黄金のトロフィーを受け取った。しかしその場面で生まれたやり取りと、その後の対応にさまざまな声が上がっている。

 メッシはトロフィーを受け取る前、プレゼンターを務めたFIFAのジャンニ・インファンティーノ会長と、開催国カタールのタミーム・ビン・ハマド・アル・ターニ首長に促され、黒いローブのようなものを着用した。英スポーツチャンネル『Sky Sports』によれば、これはビシュトと呼ばれるもので、現地の民族衣装だそうだ。

 金色で縁取られた半透明の黒いローブは、現地で暮らす男性が、結婚式や儀式などの特別な機会に着用するステータスウェア。聖職者や役人などが多く身に付けることから、王族とも関連付けられるものだという。
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 しかし、このワードローブを着たままのトロフィーリフトによって、アルゼンチンのユニホームが一部隠れてしまったのは確かだ。英公共放送『BBC』に出演していた代表OBのパブロ・サバレタ氏は「なぜあんなことになった? しなければならない義務はないはずだ」と不満を露わにしたという。

 また、同席していた元イングランド代表ガリー・リネカー氏も「アルゼンチン代表のユニホームを着たメッシという存在を隠してしまったことは残念に思う」とコメント。同代表OBのアラン・シアラー氏も「(FIFA会長が)アルゼンチンのメッシという存在を手放すとは思ってもみなかった」とジョークまじりに意外だったと吐露している。

 そのほか、英紙『Daily Mail』は「異様で奇妙な光景だった」と評し、英メディア『90min』は「アラブで開催される初めてのW杯なのだから、この衣装をファンが見るのは初めて。また、W杯でキャプテンがこれを着てトロフィーリフトをするのも初めてだ」と伝えている。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部