アルゼンチンが戦った決勝3試合で連続得点中、王者の立役者に

 1ヶ月間続いたカタール・ワールドカップ(W杯)は決勝戦でフランス代表にペナルティーキック(PK)戦の末に勝利したアルゼンチン代表が36年ぶり3回目の優勝を果たした。大会最優秀選手に選ばれたFWリオネル・メッシの大会として後世に語り継がれることになりそうだが、“影のMVP”とも呼べる活躍を見せたのが“決勝男”のFWアンヘル・ディ・マリアだ。

 今大会のディ・マリアはグループリーグ3試合全てに先発出場したものの、負傷をきっかけに決勝トーナメントに入ってからはスタメンを外れ、出番は限られていた。しかし、大一番の決勝でスタメンに復帰。すると左サイドから得意のドリブルで再三攻撃の起点となり、前半23分にはMFウスマン・デンベレにボックス内で倒されてPKを獲得。これをメッシが決めて試合の均衡が敗れた。

 さらにディ・マリアは同36分にMFアレクシス・マック・アリスターのラストパスからチーム2点目のゴールをゲット。2-0で迎えた後半19分に途中交代したため、勝利の瞬間をベンチから見届けることになったが、2得点を決めたメッシと並ぶ勝利の立役者と言っても過言ではないだろう。

 ディ・マリアはこれで2021年のコパ・アメリカ、今年6月に行われたフィナリッシマ(南米王者vs欧州王者)、そしてこのカタールW杯とアルゼンチンが戦ったファイナルの3試合で連続得点を決めた選手となった。そのいずれの試合もアルゼンチンは勝利し、王者となっている。W杯の公式ツイッターはフランス戦後に「W杯決勝でゴールが必要?それならディ・マリアに電話だ。彼はアルゼンチン代表の決勝で3試合連続ゴールを決めている」と投稿し、34歳のレフティーの活躍にスポットライトを当てた。

 ちなみに、ディ・マリアは2008年の北京五輪でもナイジェリア代表との決勝戦(1-0)で得点を決め、メッシと共に金メダルを獲得している。悲願のW杯制覇でメッシが脚光を浴びているが、いつもそばにいた盟友ディ・マリアの存在も決して忘れることはできないだろう。(FOOTBALL ZONE編集部)