ゴールライン際で折り返した際、ボールはわずかにラインにかかっていると判定
カタール・ワールドカップ(W杯)はアルゼンチン代表の36年ぶりの優勝で幕を閉じたが、英メディア「The Athletic」が「W杯を彩る画像」と題して今大会の印象的なシーンをピックアップ。「三笘の1ミリ」もノミネートされている。
記事では、カタール大会が最後のW杯と位置付けていたアルゼンチン代表FWリオネル・メッシが優勝トロフィーを掲げる瞬間や、ドイツ代表がグループリーグ初戦の日本戦キックオフ前の集合写真で口を手で覆って抗議したシーンなどを紹介。そのなかで、「目の錯覚」と題したカテゴリーに振り分けられたのが、ポルトガル代表FWクリスティアーノ・ロナウドと日本代表MF三笘薫だ。
ポルトガルはグループリーグ第2節のウルグアイ戦、後半9分に左サイドのMFブルーノ・フェルナンデスのクロスにロナウドが頭で合わせて得点が決まったかに見えた。しかし、実際にはロナウドはボールに触っておらず、フェルナンデスのゴールとして記録された。今大会で史上初のW杯5大会連続ゴールの大記録を打ち立てたロナウドだったが、ペナルティーキック(PK)による1得点でW杯通算得点は8得点でストップ。わずか数ミリの差で、ポルトガルのレジェンドFWエウゼビオ氏が持つ同国のW杯最多得点記録(9得点)に肩を並べることができなかった。
「The Athletic」は、「ワールドカップでは、ピッチ上で完全に不可解な瞬間がある。ウルグアイ戦でクリスティアーノ・ロナウドの頭にボールが当たったかどうかはその1つだった。その後、ブルーノ・フェルナンデスのゴールという判定が下された。しかし、まだ我々はこの写真に注視している」と、ロナウドの“幻のゴール”について触れている。
そして、もう1つの三笘は、日本がスペイン代表と対戦したグループリーグ第3節で、1-1で迎えた後半6分に三笘がゴールライン際から折り返したボールをMF田中碧が押し込んで決勝点を奪った。三笘が折り返した時点で、ボールがラインを割っていたのではないかと大きな議論が巻き起こった。これはビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)が確認した映像でボールはわずかにラインにかかっていることが判明しており、得点は正当なものとして認められたが、人間の目だけでは瞬時に判断できないミリ単位の判定によってVARの存在があらためて大きな注目を集めるきっかけとなった。
「もう1つは、日本がスペインに勝利した際、決勝点となる田中碧のゴールが決まった時、三笘薫がボールをキープしていたかどうかだ。これは角度によって異なって見える。ずっと語り継がれていくだろう」
さまざまな出来事が起こったカタールW杯。2026年の次回大会ではどのような歴史が刻まれることになるだろうか。(FOOTBALL ZONE編集部)