モロッコ代表の選手たちが、モロッコ王室から勲章を授与された。20日、王立モロッコサッカー連盟(FRMF)が発表した。

 モロッコ代表はFIFAワールドカップカタール2022開幕直前にヴァイッド・ハリルホジッチ前監督との契約を解消し、ワリド・レグラギ監督を招へい。前監督との関係が冷え切っていたハキム・ツィエク(チェルシー)やヌサイル・マズラウィ(バイエルン)がチームに復帰すると、レグラギ監督は攻守にバランスが取れたチームを作り、カタールW杯では難敵ひしめくグループFを首位で突破した。

 ラウンド16ではスペイン代表をPK戦の末に破り、同国史上初のW杯ベスト8進出。さらに準々決勝では1点を守り切ってポルトガル代表をも下し、アフリカ勢初となるW杯ベスト4進出を果たした。過密日程のなか守備陣に負傷者が相次いだ影響もあり、準決勝ではフランス代表に敗戦。3位決定戦でもクロアチア代表の前に屈したが、その堂々とした戦いぶりは世界中から称賛を集めた。

 “アスワド・アルアトラス”(※代表チームの愛称、アトラス・ライオンの意味)は現地時間20日の夕方に帰国し、国民からの熱烈な歓迎を受けた。さらに選手とその母親、レグラギ監督らスタッフ、FRMFのファウジ・ラクジャ会長たちは王宮に招かれ、ムハンマド6世から直々に勲章を授与された。その後、チームはムハンマド6世や皇太子と記念撮影。選手たちから国王への記念品の贈呈も行われた。

W杯で大躍進のモロッコ代表、ムハンマド6世から勲章授与…4人が国王設立のアカデミー出身

国民からも熱烈な歓迎を受けた [写真]=Anadolu Agency via Getty Images

 ムハンマド6世はスポーツ全般、特にサッカーに対して特別な関心を持っているという。2009年には自身の名を冠したムハンマド6世フットボール・アカデミーを創設。同アカデミー出身のFWユセフ・エン・ネシリ(セビージャ)、MFアゼディン・ウナヒ(アンジェ)、DFナイフ・アゲルド(ウェストハム)、GKアーメド・レダ・タグノーティ(ウィダードAC)がカタールW杯のメンバーだった。

【画像】モロッコ王室に招かれた選手たち