ドイツ2部フォルトゥナ・デュッセルドルフ所属の日本代表MF田中碧(24)は、カタールW杯で活躍。ドイツ紙『ビルト』がデュッセルドルフのブンデスリーガ昇格へのキーマンに挙げている。ただ一方でW杯出場による市場価値の上昇やクラブの財政難もあり、ステップアップ移籍の可能性もあるようだ。

 田中碧は今季もデュッセルドルフの主力選手として活躍。カタールW杯のスペイン戦では、決勝ゴールをあげて大金星の立役者になるなど結果を残していた。

 『ビルト』の報道によると、デュッセルドルフは同選手のW杯出場により国際サッカー連盟(FIFA)から20万ユーロ(約2800万円)の補償金を受け取った模様。また今年9月日本代表戦がデュッセルドルフのホームスタジアムで開催されたことにより、日本サッカー協会(JFA)から30万ユーロ(約4200万円)を受け取ったとのこと。その一方で、シーズン後半戦を前に選手への給与支払いの目処が立たないなど、財政難に直面している。

 また『ビルト』は田中碧について「彼はデュッセルドルフにおけるベストプレーヤーのひとりであることは間違いない。『トランスファーマルクト』(ドイツの移籍専門サイト)によると、カタールW杯出場により、彼の市場価値は70万ユーロ(約9800万円)から250万ユーロ(約3億5000万円)に上昇したという。ただ一方で日本代表戦がある度につねに長距離移動を強いられ、デュッセルドルフでベストパフォーマンスを発揮できないこともある」

 「田中碧はドイツ代表に土をつけた選手のひとりである。今の好調を維持してデュッセルドルフで好パフォーマンスを発揮することが多くなれば、ブンデスリーガ昇格のカギを握る存在となる」と紹介。デュッセルドルフが首位ダルムシュタットから勝ち点10差の7位につける中、ブンデスリーガ昇格にむけて同選手の活躍が必要不可欠との見方を示している。

 なおドイツメディア『2liga』は先日、田中碧の今後について「田中碧の急成長により、フォルトゥナ・デュッセルドルフは将来的にさらなる収入を得ることができるだろう」と見解を披露。デュッセルドルフに高額な移籍金を残した上でのステップアップ移籍の可能性に言及していた。

 デュッセルドルフは財政難に喘いでいるだけに、市場価値が大幅に上昇した田中碧の売却に踏み切るか注目が集まる。