最低でもベンチに1枚は大型FWが必要な時代
日本代表でも冨安健洋や板倉滉など高さで勝負できるDFが増えてきたが、次に求めたいのが大型センターフォワードだ。今回のFIFAワールドカップ・カタール大会でも190cm近いサイズを誇るセンターフォワードの活躍が目立つことになり、英『The Yorkshire Post』は今後も大型FWが1つのトレンドになっていくと注目している。
カタール大会での空中戦勝利数で1位(22回)を記録したモロッコ代表FWユセフ・エン・ネシリはその代表例で、準々決勝のポルトガル戦で叩き込んだヘディング弾などエン・ネシリの強烈なエアバトルは印象的だった。
エン・ネシリに次ぐ21回の空中戦勝利数を記録した韓国代表FWチョ・ギュソンもトレンドに合っている選手で、サイズも189cmと申し分ない。
フランス代表FWオリヴィエ・ジルー(192cm)、アルゼンチン戦で劇的な同点劇を呼び込んだオランダ代表FWボウト・ベグホルスト(197cm)、ルーク・デ・ヨング(188cm)、グループステージを大いに盛り上げてくれたウェールズ代表FWキーファー・ムーア(196cm)など、高さのある選手を投入して流れを変えるケースが目立つ大会でもあった。今後は各国代表チームに1枚か2枚は190cm級のハイタワーFWがいるのが当たり前の時代となっていくだろう。
カタール大会には出場できなかったが、マンチェスター・シティ所属のノルウェー代表FWアーリング・ハーランドもそのトレンドを代表する選手だ。大型FWは足が遅くて足下の技術も稚拙といったイメージは過去のもので、今はハーランドのように速くて上手い大型FWが当たり前の時代でもある。偽9番といったブームが終わり、今後は高さがセンターフォワードのマスト要素となっていくかもしれない。
日本ならスペインのアラベスでプレイする23歳のFW原大智(191cm)、今回の森保ジャパンにも選ばれていた町野修斗(185cm)らの4年後に期待がかかる。スタメンでなくとも、そうした選手がベンチへ控えているだけでも戦術の幅が広がる。交代枠が5枚に拡大しているのも大きい。今後もハイタワーFWのトレンドは続きそうな気配があるが、日本もその流れに乗れるだろうか。