アメリカ代表を率いてカタール・ワールドカップ(W杯)を指揮したグレッグ・バーホルター監督だが、30年以上前の事件について告白した。

【写真】バーホルター監督と妻のロザリンドさん

アメリカサッカー連盟(USSF)は3日、バーホルター監督に関する声明を発表。過去の暴力に関して、認めたことを発表した。

問題が発覚したのは12月11日。カタール・ワールドカップ(W杯)の期間中にUSSFに対して告発がなされたとのこと。1991年、バーホルター監督が現在の妻であり当時はガールフレンドだったロザリンドさんに対して暴行を加えていたという。

3日、バーホルター監督は妻のロザリンドさんと共に声明を発表した。

「W杯期間中、ある人物がUSSFに連絡を取り、『私を失墜させるための情報を持っている』と言った。これは昔からのとても個人的な関係を利用し、私とUSSFの関係を終わらせようとする明らかな動きだ」

「私たちが交際を始めて4カ月の頃、今後の関係を左右するような重大な事件が起こった。ある夜、近所のバーで飲んでいた時、ロザリンドと私は激しい口論となり、そのまま外で喧嘩をした。その時、私は彼女の脚を蹴ってしまった」

「あの夜の私の行動は、言い訳のしようもなく、恥ずべき瞬間であり、今日まで後悔が続いている。当時、私はすぐにロザリンドに謝ったが、当然のことながら、彼女は私と関わりたくないとしていた。私は自分の行動に責任を持ちたかったので、両親、家族、友人に事情を話した。ロザリンドも、自分の両親や家族、友人に知らせていた」

「この件に警察が関与することはなかったが、私は学び、成長し、改善するために自発的にカウンセリングを受けた。これは私がこれまでに下した最も貴重な決断の1つだ。今日に至るまで、あのような行動は2度と繰り返していない」

現役時代にガールフレンドに対して暴行を振るってしまったバーホルター監督。その後、2人は和解し結婚。25周年を迎えており、問題はもうない。

そんな中での突然の告発。USSFは、バーホルター監督が正直に全てを明かしたことへの声明を発表した。

「2022年12月11日、アメリカ代表の監督であるグレッグ・バーホルターに対しての告発を知った時、USSFはこの問題について独立した調査を実施するために外部の組織を雇いました」

「このプロセスを通じ、USSFは組織の外にいる人物による、複数のスタッフに対する不適切な行為の可能性を把握しました。我々はこのような行為を真摯に受け止め、疑惑を含めて調査を拡大しました」

「グレッグとロザリンドがこの事件について正直に話してくれたことに感謝します。透明性へのコミットメントに沿って、調査が完了次第、結果を公開します。USSFはあらゆる種類の暴力を非難し、そのような申し立てを真摯に受け止めます」

すでに問題は解決しているものの、暴力沙汰があったという事実は間違いなく、それを今頃訴えた人物がいるということに関して、しっかりと調査を行うという。

アメリカ代表はカタールW杯でグループBを2位で通過。しかし、ラウンド16でオランダ代表に敗れて敗退していた。

USSFはテクニカルレビューを開始し、1月に行われるアメリカ代表を誰が指揮するのかは近日中に発表されるという。2026年のW杯は自国でも開催されるため、良い成績を残すことが求められている。

【写真】バーホルター監督と妻のロザリンドさん