選手たち以上に喜んだのかもしれない
FIFAワールドカップ・カタール大会を制し、36年ぶりに世界王者となったアルゼンチン。決勝戦を終えた後、彼らはスタジアム内で優勝を祝ったが、元アルゼンチン代表FWセルヒオ・アグエロ氏は少し調子に乗りすぎてしまったようで、親友のFWリオネル・メッシに怒られたことを明かしている。
アトレティコ・マドリードやマンチェスター・シティで長らく活躍し、世界屈指のストライカーとして名を馳せたアグエロ氏。2021年にバルセロナへ移籍した後、心臓に問題があることが発覚し、2021年末に現役を引退。今回のワールドカップ優勝をプレイヤーとして味わうことはできなかったが、会場で試合を見届けていたアグエロ氏はピッチ上で選手たちとともに喜びをわかちあった。
アルゼンチン『TyC Sports』によれば、この時アグエロ氏は喜びのあまり酒を飲みすぎてしまったようで、心配したメッシに怒られたというエピソードを披露している。
「たくさん飲んでいたけど、食べていなかったから(アルコールに)やられてしまったんだ。僕たちは世界チャンピオンになった。もし僕に何かが起きたとしてもカタールに残ればいい。だけどある時レオ(メッシ)が怒って『やめろ』と言ってきた。でもどうやってやめたらいいんだ? 僕らは世界チャンピオンなんだ。とてもいい感じだったし幸せだった。僕の心は満ち足りていた。そして、嬉しかったからこそ再びアルコールにやられてしまった」
その後、アグエロ氏はアルゼンチン国内で行われる祝賀会にも参加しないかと誘われたようで、みんなと一緒に飛行機に乗ってカタールの地を去るつもりだったという。しかし、アパートに息子がいることをなんとか思い出し、踏みとどまったようだ。「ベンジャ(長男ベンジャミン)に電話して今から行くと伝えた。興奮のあまり何もかも忘れてしまったんだ」と彼は話している。
傍から見れば父親失格の振る舞いだが、それだけワールドカップ優勝が悲願だったということだろう。サッカーにかける情熱がより強いアルゼンチン人ならではのエピソードとも言えるかもしれないが、いつか日本の選手たちがこの喜びを味わう時もやってくるのか。