■“亡くなる病気”というイメージがあったので、“私、死ぬんだな”って思った

「整形外科に入院していたが、次の日に内科の先生に呼ばれた。血液検査の結果を見せられ、“HIV”という項目に“+”の文字があるのを見た瞬間、すごくビックリした。“亡くなる病気”というイメージがあったので、頭が真っ白になって、“私、死ぬんだな”って思った」。
メグミさんは、28歳のときに交通事故に遭い、治療に伴う血液検査でHIVに感染していることが判明した。20代前半の頃に関係を持った男性が感染経路だった可能性があった。

HIV医療に詳しい横浜市立病院の立川夏夫医師によると、HIVの検査を広めたいという思いはあるものの、日本では海外に比べて陽性になる頻度が低く、社会からの偏見もあるため、事前に同意を取ることが原則だというが、メグミさんのように、事故により緊急の外科手術を伴う場合には医師の“針刺し事故”などに備え、術前に検査が行われ、そこで陽性が判明するケースがあるのだという。

治療により、「U=U」(Undetectable=Untransmittable)、つまり血液中のHIV量が検出限界値未満の状態が6カ月継続すれば、性行為で相手に感染させることもない、そう医師から説明を受けたメグミさんだったが、「自分の中では半信半疑」だったため、過去に交際していた男性にHIV陽性であることを打ち明けた。

「自分がうつしてしまっているのではないかという心配があったので、まずは今まで付き合っていた方のうち、連絡が取れる方にはすぐに検査をしてもらった。ただ、これはすごく難しい問題だと思う。私自身は恋人や旦那さん、家族には言っておかないと、もしうつしていた場合に治療が遅れてしまったら…という心配があったが、治療をしていればうつらない病気だと言われれば、あえて告知しないという方もいらっしゃると思う」。
立川医師も、「“リスクのある行為をした場合には伝えてください”と患者さんにお願いするようにはしているし、必要であれば検査をし、陽性であれば対応をしてもらうことがとても重要だ。しかし全員が伝えられるわけではない。特に日本の状況ではとても勇気がいることなので、感覚的には半々ぐらいの方は、伝えることができていないんじゃないか。もちろん、この世界に生きる上では様々なリスクが伴うものなので、それをどう考えるか、という問題でもある」と明かした。
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