■皆さんの勇気と元気に繋がることができたらと心から願っている

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 今年10月、無事に出産を迎えることができたメグミさん。今も3カ月に1回のペースで受診をし、1日1回の薬の服用を続けている。また、現時点では子どもには伝えない方向で考えているというが、それでもHIVそのものの話や、望まない妊娠の問題についてはうまく伝えることができればと話す。

 「私が年老いて何かの病気になった時に子どもが知ることになることを考えると、事前に伝えておかなくてはいけないのかなとも思う。それはマイナスなイメージではなくて、大丈夫だよと安心させるような感じで伝える形になるのかなと思う」。

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 立川医師は「世界中の研究者が一生懸命治療薬を開発してくれているし、技術の進歩もある。人体の中でも最も寿命の長い、神経細胞、心臓の細胞、それから免疫細胞に入り込む、ある意味で非常に良くできたウイルスだが、計算上は70年お薬を飲み続けると完治するのではないかとも言われている。ただ、そうした自分の情報を、どうして人に言わないといけないのか、という難しい問題がある。伝えなければならないのは、やはり人にうつすかもしれないリスクがある場合だ

 そう考えれば、お薬をちゃんと飲んで、U=Uの状態を達成できていれば、実際には言う必要はないと僕は思っている。また、“社会全体のウイルス量”という考え方がある。治療薬を使ってどんどん減らしていけば、“ゼロコロナ”はさておき、“ゼロHIV”というのは理論的に実現可能だ」。

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 今の心境について、改めてメグミさんは「最初は結婚、出産の全てを諦めなくてはいけないと思っていたが、本当にありがたいことに、医学の進歩によって普通に生活が送れる。元気な子どもを生むこともできた。恋愛に臆病になっていたこともあったが、必ず受け止めてくれる方がいると思う。自分らしく、楽しく恋愛をしてほしいなと心から思う。私たち陽性者に寄り添ってくれる、素晴らしい支援団体の方々もいる。もし一人で悩まれている方々がいたら、力になれたらいいな。私の話が皆さんの勇気と元気に繋がることができたらと心から願っているし、ぜひ私たちと繋がってみませんか」と語った。

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 慶應義塾大学の夏野剛・特別招聘教授は「あれほど大変な病気だと言われていたHIVが、ここまでマネージャブルになってきたという現実。ただ、そこに社会の理解が追い付いていない部分があるので、より理解を深めていくことが必要だと感じた。また、統計では男性の陽性者が多いということだが、“罹った人が悪い”みたいな考え方はやめて、みんなで向き合っていくというのが大事だということが分かった」と話していた。(『ABEMA Prime』より)

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