エンゼルスの大谷翔平投手が、なかなか輝きを取り戻せないでいる。投手と打者の二刀流プレイヤーということを考えれば、先発ローテーションを飛ばさずに守り、打者としてもスタメンを外れたのは3試合だけ、チーム58試合中57試合に出場しており、選手2人分の活躍はしている。ただ特に打者として46本塁打を放った昨季と比べれば、まだまだ数字が物足りない。そんな大谷が苦しんでいるのが、95マイル(約153キロ)以上のスピードボールへの対応だ。
これまで数々の日本人打者がメジャーに挑戦し、はっきりと「活躍」した選手は、投手よりも少ない。スピードとパワー溢れるメジャーの一流投手たちの前に、日本であればオーバーフェンスしていた打球が失速し、外野手のグラブに収まる。捉えたと思ったはずが、微妙に変化するクセ球のために平凡なゴロになる。ストレートはもちろんながら、160キロを超える変化球を投げる投手も1人や2人ではない。多少芯を外してもパワー負けしないスイングで内野、さらには外野の頭を越えなければ、数字が残せないという厳しい世界だ。
昨季の大谷は、スピードとパワーでもメジャーの投手に打ち勝った。ところが今季は開幕直後から言われている「飛ばないボール」の影響もあってか、力負けするシーンが目立ち始めている。それを裏打ちするデータが球速による打率だ。6月8日(日本時間6月9日)のレッドソックス戦、現地の中継映像で紹介されたのが、95マイル以上の速球と、94マイル(151.3キロ)以下のボールに対するアベレージだった。95マイル以上の打率は.160に届かず、94マイル以下は.290に迫っていた。
このぐらいの数字は、データを重視するメジャーにおいて各球団も容易に把握している。数字とともに顕著になってきたのが、大谷の内角高めを攻める速球だ。真ん中、もしくはやや外角寄りの高めに抜けるようだと豪快な一発を生む絶好球になるが、内角高めにコントロールされた95マイル以上の速球に、大谷のバットが何度も空を切っている。なんとかファウルまでは打てても、カウントを悪くしたところで低めの変化球に泳がされるというのが、現在における大谷攻略のシンプルなパターンだ。
高めに速球を集める配球は大谷に限ったものでもないが、それだけに他の打者同様の攻方で封じられていては、得意と言われていた6月でも、浮上のきっかけがつかめない。弱点と思われた高めの速球に負けず、それ以上の打球速度でホームランを放った時、相手投手からすれば、昨季のように大谷は恐怖の存在になる。
(ABEMA『SPORTSチャンネル』)
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