エンゼルスの大谷翔平投手が「2番・投手」で出場した6月9日(日本時間10日)のレッドソックス戦で10試合ぶりとなる逆転の12号2ランを放った。第1、第2打席と連続して空振り三振に倒れていたところ、第3打席では3球目に来た真ん中高めの甘い球を強振。左中間スタンドまで運び、先発投手として熱投していた自分を援護、その後の快勝を呼び込んだ。大谷が打ったのは92.1マイル(148.2キロ)のストレート。こんな球で自分は抑えられないとばかりに、力を込めて振り抜き、フェンスの向こう側までかっ飛ばした。
大谷の打撃成績に関する重要な数字がある。相手投手の球速だ。95マイル(約153キロ)以上であれば打率は.150ほど、94マイル(151.3キロ)以下であれば、3割近い数字を残していた。もともとストレートには強い大谷だが、さすがに100マイル(161キロ)に迫るような剛球を確実にミートするのは難しい。ただ球速が1マイル落ちるごとに打率は上がり、その大きな境目が95マイルに達するかどうかだった。
第1打席、大谷は苦しんだ。レッドソックスの先発ピベッタが投じたのは初球から93.8マイル、95.3マイル、94.9マイルで全てストレート。積極的に振りにいったものの、ミートできずに3球連続してファウルとなった。そこから2球連続して80マイルに満たないナックルカーブにタイミングを外され、カウント1-2から空振り三振を喫した。第2打席、ピベッタの球速が落ち、ストレートが92マイル前後になったが、際どいコースを攻められたため、2球ファウルで打ち逃し、追い込まれてからチェンジアップで、またも空振り三振した。
ただ5回の第3打席は逃さなかった。「投手大谷」との1点を争う投手戦を繰り広げたことでの疲労もあってか、ピベッタの球速はさらに落ち、制球も甘くなっていた。93.4マイル、92.3マイルとストレートを続けた後のカウント1-1。真ん中高めにスッと入ってきた92.1マイルのストレートでは、大谷を抑えることはできない。快音が響いた後、打球は120メートル先の左中間スタンドに飛び込んだ。
メジャーは日本以上にデータでの管理が徹底されている。立ち上がりこそ球威で押せたピベッタだったが、疲れが見えた後で大谷に対し、同じような攻めをすること自体が無理だったのかもしれない。昨季46本塁打を放った大谷には、どのチームどの投手も最新の注意を払い、全力で投げ、コーナーぎりぎりを突く。ここでかかるストレスは、他の打者とはまるで違うだろう。データ通り、ヒットの確率が上がる94マイル以下のボールをオーバーフェンスした大谷。パワー不足の投手が出てきた時には、さらなるアーチを期待しても間違いではない。
(ABEMA『SPORTSチャンネル』)
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