【MLB】エンゼルス0-2レンジャーズ(7月28日・日本時間29日/アナハイム)
エンゼルスの大谷翔平投手が「1番・投手」で先発出場し、投手として6回を投げ8安打を浴びながら2失点と粘り、11個の三振を奪った。味方打線の援護がなく、今季6敗目(9勝)を喫し、1918年のベーブ・ルース以来104年ぶりの「2ケタ勝利・2ケタ本塁打」はならなかったが、最速100.5マイル(161.7キロ)の速球に、曲がり幅を自在に操るスライダー、落差の大きいスプリットなどで相手打者を翻弄する様子には、8安打を浴びたことも忘れるほど。力を込めて投げた時の連続三振は圧巻だ。投球の内容を見ると、最高球速に目が行きがちにはなるが、この試合で最も投げたのは実に51%(98球中50球)も投げたスライダー。6月以降、投手としてワンランク上の投球を続ける大谷は、確実に「変化球投手」へと変貌を遂げつつある。
大谷が投げた球種の割合をデータサイトでシーズン別に見てみると、前日の27日(同28日)の数値では、ストレート(4シーム)は2020年から見て48.8%、44.1%、35.7%と、どんどん下がっている。一方、生命線でもあるスライダーは28.8%、22.0%、33.3%で、今シーズンが最も多い。さらに、この日の登板でスライダー50球に対し、ストレートは17球。今季の総投球数では、ストレート544球、スライダー542球と、ほぼ同じになった。
今季の大谷も開幕当初からスライダーばかり投げていたわけではない。ただ、直近の試合では明らかにその割合が増えた。6月9日(同10日)のレッドソックス戦ではストレート40球に対しスライダー23球だったが、その後の試合では6月29日(同30日)のホワイトソックス戦でストレート、スライダーが36球ずつと同数、それ以外の7試合では全てストレートよりもスライダーの方が多く投げている。ここまで来れば、大谷の投球の軸がストレートではなくスライダーに移行しているのは明白だ。
一般的に球速のある投手が変化球を投げ始めると、ストレートのピークが過ぎたと思われがちだが、大谷の場合は違う。実際、7月22日(同23日)のブレーブス戦ではメジャーでは自己最速となる101.2マイル(162.9キロ)のストレートを投げ込んでおり、速球投手としてもレベルアップしていることがわかる。
チームのエースとして先発ローテーションを守る大谷は、何事もなければ8月2日(同3日)からのアスレチックス3連戦で今季18試合目の先発マウンドに上がるが、ここでストレートよりスライダーを3球多く投げれば同数、4球多く投げれば総数でスライダーがストレートを上回る。小さく曲がる、大きく曲がる、速く曲がる、遅く曲がる。自在に操られるスライダーの合間に、100マイルを超えるストレートがドーンと投げ込まれる。想像しただけでも打者にとって、これほど手強い投手はいない。
(ABEMA『SPORTSチャンネル』)
■大谷翔平 人気記事
・ドジャース(大谷翔平所属)試合日程・時間・放送予定 【2024シーズン】
・大谷翔平 成績・打席結果【2024シーズン】
・大谷翔平 ホームラン成績【2024シーズン】
・ドジャース大谷翔平 年俸推移・予想
・大谷翔平の速報・今日のニュースを見る
■Pick Up
・嫌われない広告とは?「ABEMA」のスポーツ×広告事例から紐解く
・スポーツコンテンツに適したの“ライブ特化型広告”って何?
・槙野智章氏と考える「スポーツ×マーケティング」の可能性