それでも入院直後、朝倉さんが書いた日記には「あんなに死にたくてとんだのに、生きててよかった」と記されていた。
「そう思えたのは、家族にもう一回会えたから。自殺未遂をして生きていた私がいることによって、障害でつらい人に何か支えになる言葉を伝えたい。今は生きていて良かったとすごく思う」

朝倉さんの母親は「命があってくれた、ましてや手が動いて話ができるというのは、本当にありがたいこと」と話す。
当時の自分にどのような言葉をかけたいか。朝倉さんは「とにかく休んでほしい。何もしなくていいから、布団にくるまって、何もしないでとにかく休んで、その場を乗り切ってほしい」と答える。
自殺未遂前は「一人でやらなきゃ」「自立した生活をしなきゃ」と両親から離れて生きていこうという気持ちが強かった。
「事故のあとは『こんなに愛されているんだ』とわかった。自分も両親が大好きなんだと知って、関係性は近くなった」
自殺を防ぐ手法として注目されている「パパゲーノ効果」とは
