NPO法人「あなたのいばしょ」理事長の大空幸星氏は「自殺未遂をした人に社会がどう向き合っていくのか、問われている」と話す。

「出生率が減っているにも関わらず、2022年の子どもの自殺者は512人で過去最多を記録した。これまで自殺で亡くなった人に対しては、社会は注目をしてきたし、対策も進めてきた。一方で、未遂で終わった人、『死にたい』という気持ちを抱えて実際に行動を取ったが、結果として亡くならなかった人に対しては、完全に埋もれている。やっと診療報酬の改定も始まったが、それでもまだまだ支援は進んでいない」

【写真・画像】「あんなに死にたかったのに、生きていてよかった」自殺未遂後の人生は? 社会やメディアが変わるべきことは 7枚目
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 その上で、大空氏は「死にたい気持ちを想起させるような報道は、やるべきじゃないと思う」とメディアに警鐘を鳴らす。

「2022年の自殺は『メディアが増やした』と僕は言い切れると思う。芸能人の自殺で、非常に過激な報道があって、実際に増えた。これを二度と起こさないために、どうするべきか。WHOの自殺報道ガイドラインがあるが、相談窓口の電話番号を下にペロっと書くだけだ。それが“免罪符”になって終わっている。相談窓口は相談がくればくるほど、負担が増えていく。そしてそれでお金がもらえるわけじゃない」

「メディアが“免罪符”としてやっていることが、実はさらにセーフティネットを逼迫させている。この循環を変えるために、例えば相談窓口と合わせて『窓口は寄付によって成り立っています』と書いてほしい。メディアの影響力はものすごく大きい。これをぜひメディアには自覚していただきたい」

(「ABEMA Prime」より)

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【映像】「生きていて良かった」自殺未遂者のその後は
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