将棋の順位戦A級・最終9回戦が2月29日に行われ、豊島将之九段(33)と菅井竜也八段(31)が午前9時から静岡市の「浮月楼」で対局を開始した。豊島九段はこれまでのリーグで6勝2敗とトップを走っており、本局に勝利すれば藤井聡太名人(竜王、王位、叡王、王座、棋王、王将、棋聖、21)への挑戦が決まる。“将棋界の一番長い日”と呼ばれる本局を制し、名人復位へ向けた挑戦権を手にすることができるか。
豊島九段は2007年4月に四段昇段。竜王戦は2組(1組以上:10期)、順位戦はA級以上が7期。タイトルは竜王2期、名人1期など計6期で、棋戦優勝は5回。2019年度の第77期名人戦に初挑戦し、佐藤天彦名人(肩書はいずれも当時)に4連勝を飾り初戴冠を果たした。翌年、渡辺明三冠に2勝4敗れ敗れ失冠。今期のA級リーグでは6勝2敗と首位を堅守しており、本局に勝利した場合、名人戦挑戦が決定する。名人復位とタイトル戦復帰に向けて、何としてでも白星を手にしたい。
菅井八段は、2010年4月に四段昇段。竜王戦1組(1組:1期)、順位戦A級(A級:4期)。振り飛車党のエース棋士で、2017年度の第58期王位戦で初戴冠。平成生まれ初のタイトルホルダーとなった。2023年度は、叡王戦五番勝負と王将戦七番勝負の2つのタイトル戦に挑戦。いずれも藤井名人に阻まれタイトル奪取には至らなかったが、振り飛車の可能性と自身の存在感を改めて示した。今期A級では5勝3敗で、永瀬拓矢九段(31)と並び二番手に付けている。本局の勝利でプレーオフ進出となるため、絶対に負けられない一局に臨んでいる。
両者の公式戦対戦はフルセットとなった2018年の王位戦七番勝負を含む21局で、豊島九段の10勝、菅井八段の11勝とほぼ互角。直近の対戦は2023年11月に行われた王将リーグで、菅井八段が三間飛車の一局を制している。
挑戦権争いは豊島九段、永瀬九段、菅井八段の三者に絞られており、単独首位に立つ豊島九段が勝利した場合は挑戦が決定する。菅井八段が勝利した場合はプレーオフへ進出。永瀬九段は同日に中村太地八段(35)と対戦中で、自身の勝利に加えて菅井八段が勝利した場合、三者によるプレーオフで挑戦権が争われることとなる。“将棋界の一番長い日”と呼ばれる濃密な一日を白星で飾るのは誰か。どの瞬間からも目が流せない。
持ち時間は各6時間で、本局の先手は菅井八段。ABEMAではこの対局を終了まで生放送する。
(ABEMA/将棋チャンネルより)