アニメ「薬屋のひとりごと」は、薬師の少女・猫猫が陰謀渦巻く後宮にて、次々に謎や事件を解決していく後宮謎解きエンタテインメントです。2023年10月から始まったアニメ放送は好評のうちに終了。2期の制作決定も発表されました。
猫猫がいくつもの謎を解決していくアニメ「薬屋のひとりごと」のストーリーは、点在する小さな事柄の中に、大きな事件への伏線がいくつも織り込まれていました。回収された伏線もありますが、未回収の伏線もまだまだあります。
この記事では、これまで描かれた伏線のなかで、とくに印象的なものや未回収の伏線をご紹介します。
アニメ第24話までに回収された伏線
「薬屋のひとりごと」では、猫猫が遭遇したさまざまな謎が積み重ねられ、大きな事件へつながっていったものがいくつも描かれています。
たとえば、第6話で起きた園遊会の妃毒殺未遂事件は、里樹妃へのいじめや、蜂蜜が食べられないこと、阿多妃との関係など、さまざまな事柄が組み合わされて起きた事件でした。また、猫猫の歪んだ指や父親である羅漢の過去、梅毒に侵された妓女などの伏線が、第24話の鳳仙の身請けへとつながる感動的な伏線もSNSで話題となっています。
祭祀での壬氏暗殺未遂事件につながる複数の伏線
数ある伏線の中でも、多くの事件が絡み合っていたのが、第19話で描かれた祭祀での壬氏暗殺未遂事件です。
1 祭具を管理していた高官の突然死
第9話で、酒に多量の塩分を入れられたことで亡くなった高官・浩燃は、祭具の管理者でした。突然死したことで、祭具の管理に支障が出始めます。
2 祭具の管理を引き継いだ高官が海藻の毒により倒れる
浩燃の仕事を引き継いだのが、第15話で解毒されていない海藻を食べて意識不明となった官僚でした。立て続けに管理者がいなくなったことで、祭具の管理はさらにずさんに。
3 倉庫の小火騒ぎに乗じて祭具が盗まれる
第14話で起きた倉庫の小火騒ぎは、倉庫番に煙管を渡した官女によって意図的に起こされたものでした。小火騒ぎと同時に、別の倉庫で祭具が盗まれています。
4 なくなった祭具は低温で溶ける金属により作り直された
第16話で謎の遺言を残した超金細工師により、盗まれた祭具の代わりが作られていました。独自に編み出された低温で溶ける金属が使用された祭具は、祭祀中に蝋燭の熱により融解。超金細工師はなにも知らずに祭具を作り、誰に頼まれたか漏らさないように殺された可能性が高いと猫猫は推測しています。
これらの事件が重なり合い、祭祀中に金具で吊るされていた柱が落下。その真下にいた壬氏の命を奪うように計画されていました。すんでのところで計画に気がついた猫猫が飛び込み、壬氏は命を救われました。
まだ明かされていない謎
これまで謎として描かれたものの、第25話までに回収されていない伏線もたくさんあります。ここでは、とくに気になる伏線3つを紹介します。
阿多妃の子は生きている?
現皇帝が東宮時代からの妃である阿多妃は、過去に現帝の子を1人、出産しています。しかし、難産の末に子宮を失い、産まれた子も赤子のうちに死亡。このことは、園遊会での里樹妃毒殺未遂事件にもつながっていました。
第11話で猫猫と飲み交わした阿多妃は、自身のことを語るときに「息子がいなくなってから」と表現していました。猫猫は後にその言い回しに疑問を持ち、阿多妃の子がまだ生きている可能性に思い当たります。
阿多妃が出産したとき、当時の皇后の出産を優先され、阿多妃は子が成せない体となりました。立場の弱さが身に染みた阿多妃は、皇后の子と自分の子を入れ替えたのではないかと猫猫は推測します。それが真実であれば、現在の皇弟が阿多妃の子であり、東宮ということになります。
このとき、阿多妃と壬氏が似ていることにも気が付き、猫猫の頭の中では阿多妃の子は壬氏へと姿を変えていました。しかし、猫猫はすぐに「バカバカしいくらいの妄想だ」と自分の考えを否定しています。
宦官・壬氏の正体
壬氏は第5話で剣術の稽古をしていたり、体が引き締まっていたりと、宦官らしからぬ場面が度々描かれています。第17話では焼き鳥を食べ、「野営のときよりうまいな」と語り、猫猫に「宦官は普通武官のような仕事はしないと思っていたが」と疑問に思われる一幕も。
第20話では、壬氏が宦官として身体の処置を受けておらず、男性機能を抑える薬を飲んでいることが発覚しました。さらに、公称では24歳のはずが本当は19歳で、「壬氏の仮面」を被っているというモノローグもありました。
壬氏はいったい何者なのか、なんのために薬を飲んでまで宦官を演じているのか、その理由は明らかにされていません。
謎の多い楼蘭妃
第14話から登場した楼蘭妃は、猫猫の妃教育の場でまったくしゃべらず、猫猫に「何を考えているかよくわからない妃」と思われるなど、謎の存在として描かれています。第20話では声を出すシーンがあったものの、EDのクレジットに楼蘭妃のキャストはありませんでした。
髪型や服装が、ころころ変わるのも気になるところです。皇帝も「訪れるたびに妃が誰かわからなくなる」と困惑していました。
まとめ
アニメ「薬屋のひとりごと」は、1期2クールで多くの伏線が描かれ、回収されました。しかし、まだまだ明かされていない謎もたくさんあります。はたして、今後、これらの謎は回収されるのでしょうか。2期が放送されるのを、楽しみに待ちましょう。
(C)日向夏・イマジカインフォス/「薬屋のひとりごと」製作委員会
この記事の画像一覧アニメ『薬屋のひとりごと』放送回一覧(動画リンクつき)
話数 | サブタイトル(タップで動画へ) | 見どころ |
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1 | 猫猫 | 猫猫の正義感が幼子を救う |
2 | 無愛想な薬師 | 媚薬の出来はバッチリ!? |
3 | 幽霊騒動 | 奇行の裏の真実に気づく猫猫 |
4 | 恫喝 | ガチギレ猫猫のマジビンタ! |
5 | 暗躍 | そばかすを落とした猫猫の顔 |
6 | 園遊会 | 「これ、毒です」猫猫が本領発揮 |
7 | 里帰り | 高順の前で素が出てしまう壬氏 |
8 | 麦稈 | 「一夜の対価」に壬氏、硬直 |
9 | 自殺か他殺か | 猫猫の死生観、壬氏の懊悩 |
10 | 蜂蜜 | 変態に追い詰められる猫猫 |
11 | 二つを一つに | 阿多妃の過去が明らかに |
12 | 宦官と妓女 | 猫猫、指先だけならお触りOK |
13 | 外廷勤務 | 官女とのドロドロバトル |
14 | 新しい淑妃 | 「女の園の秘術」を教授 |
15 | 膾 | 曲者な軍師・羅漢が来た! |
16 | 鉛 | 鍵の開かないタンスの謎 |
17 | 街歩き | 妓女の価値を下げる方法 |
18 | 羅漢 | 猫猫と羅漢の関係が明らかに |
19 | 偶然か必然か | 命を守るため、猫猫が走る |
20 | 曼荼羅華 | 壬氏が飲む薬の効果 |
21 | 身請け作戦 | 隙あらば嫉妬する壬氏 |
22 | 青い薔薇 | 羅漢の目に映る人々 |
23 | 鳳仙花と片喰 | 妓女・鳳仙と羅漢の悲恋 |
24 | 壬氏と猫猫 | 壬氏の頭突きを食らう猫猫 |
25 | 猫猫と毛毛 | 壬氏、恍惚の表情でネコ吸い |
26 | 隊商 | 小蘭、猫猫にムニムニほおずり |
27 | 冬人夏草 | 亡くなった中級妃と毒きのこの謎 |
28 | 鏡 | 絶世の美女の正体はまさかのやり手婆 |
29 | 月精 | 闇に浮かび上がった“美女”壬氏 |
30 | みたび、水晶宮 | 梨花妃のビンタに深い理由 |
31 | 選択の廟 | 皇帝の爆弾発言に焦る壬氏 |
32 | 皇太后 | 皇太后の“呪い”発言が怖すぎる |
33 | 先帝 | 高順にあやされるギャン泣き幼少壬氏 |
34 | 怪談 | 本気のガチホラー回 |
35 | 狩り | 猫猫と壬氏、襲撃からのずぶ濡れ急接近 |
36 | 華瑞月 | 壬氏に壬氏の壬氏があった |
37 | 湯殿 | 猫猫たちの楽しいお風呂回 |
38 | 踊る幽霊 | 壬氏が「猫猫」と呼ぶ |
39 | 氷菓 | 壬氏、猫猫に顎クイ |
40 | 巣食う悪意 | 生きていた翠苓 |
41 | 狐の里 | 猫猫の名推理に子翠は爆笑 |
・無料でみられる「薬屋のひとりごと」エピソード・見逃し配信一覧