50年以上の歴史を持つ『夕刊フジ』が1月で休刊に。パソコン、スマホの普及や印刷コストの上昇などの影響が理由だという。新聞全体の発行部数も年々減少、この四半世紀で半分になり、特に体力のない地方紙では廃刊が相次いでいる。
【映像】「もう罰金支払われました?」 詰め寄る『屋久島ポスト』共同代表
そんな流れに逆行するような新たなメディアの形が今、生まれている。それがハイパーローカルメディア。極めて限られたエリアに特化したメディアで、2021年に創刊した『屋久島ポスト』もその1つだ。世界遺産の豊かな自然で知られるだけに、観光案内のようなメディアをイメージするかもしれないが、そうではない。町長の出張費の不正など、町の問題を次々と明らかにする本格的な調査報道メディアだ。
6人の地元住人で取材活動をしており、武田剛共同代表は元朝日新聞のカメラマン。新聞社時代は南極など自然環境を中心に撮影してきた。そのため、2012年に屋久島に移住した当初は、町の政治を追う活動は全く考えていなかったという。
「自然をテーマに取材したいと思い、家族で屋久島に移住した。いざ町役場なんかを取材し始めると、だんだん雲行きが怪しくなってきた。次から次へといろんな不正が起きて」
そうして始まった報道は、時に住民や議員を動かすことも。
「屋久島ポストさんの記事を見て、これはちょっと議会で質問しなきゃいけないなと」(屋久島町議会の真辺真紀議員)
しかし、こうした報道姿勢は全ての住民の理解を得られているわけではないそうだ。鹿島幹男共同代表は「昔ながらの、よそ者をものすごく毛嫌いする風習」と述べ、武田氏は「我々の報道に対する誹謗中傷のビラが全町に撒かれたり、ネットでも『島から出ていけ』と」と明かす。
さらに、こうした活動が収入につながるわけではなく、情報開示請求で多額の手数料がかかることも。なぜそこまでして報じ続けるのか。ハイパーローカルメディアの持つ可能性と課題について、『ABEMA Prime』で考えた。
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