■知能指数・境界知能とは

境界知能の分布
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 まずIQ(知能指数)とは、様々な状況や環境に合理的に対処していくための土台となる能力を知能と捉え数値化したものを指す。「境界知能」は、このIQが71~84人の人を指し、人口の14%(日本に約1700万人)程度が該当すると推計されている。医学上の診断名などではなく、IQ以外の定義もない。障害とはみなされず、公的支援からも対象外だ。人により特徴は異なるが「数的処理が苦手」「作業スピードが遅い」「理解が表面的」「適切なコミュニケーションが苦手」「ストレス耐性が低い」などがあり、軽度知的障害の人と同程度の配慮が必要な場合もあるという。

 今回、物議を醸した記事だが、もともとのタイトルは『罪の意識なく非行繰り返した19歳「人の心の痛みとかわかんないです」…IQは70台 難しい“境界知能” 少年の矯正教育』。その後、ニュースプラットフォーム側で要約されて掲載されたタイトル『IQ71の少年「人の痛みわからず」』が拡散した。これに対して、偏見を助長するものだという声があがった。なお、記事そのものは境界知能と非行に直接の因果関係はないという記述もあり、境界知能だからこそ更生が難しい部分もあるという談話も掲載。意図せず犯罪グループに巻き込まれるケースを防ごうとする問題意識から書かれたもので、結果としてもともとのタイトル、さらには短縮されたタイトルだけが、本来の意図とは違った形で広く拡散してしまったという見方がある。

■拡散したタイトルは?専門家「不適切だと思う」
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