青山氏は「103万円の壁は、働き控えの学生のためという側面がゼロではないが、働いている人ほぼ全員に関わる政策で、大規模な所得税減税と言っていい」と説明する。
「社会保険料を合わせると、所得の5割くらいを税金にとられている。『これが非常に大きいから、税金を減らすべきだ』という考えに基づくのか。これが国民民主党・玉木雄一郎氏や、消費税をなくせと言っているれいわ新選組の主張だ。一方で、自民党の大部分は『税金を減らすのはあまり良くない。給付で補うべきだ』と考えている。高校無償化もコロナの給付金も、ガソリン代への補助も給付だ。給付は1回限りなこともあれば、金額を上下させるのも簡単だ。ただ減税は一回やると、消費税率も5%に戻すと、もう二度と10%にできないかもしれないし、できても何十年かかるか分からない。減税には手をつけたくないというのが自民党の大部分の方の考え方。税金をとられ過ぎていて“減税”するのか、“給付”で対応すべきか、政治哲学、姿勢の大きな違いが今回の問題の根本にある」と説明する。
国民民主党の案は「所得税をたくさん払っている人の方が、所得にかかる税率が高いため、より減税幅が大きい」のが特徴だという。「税収に7〜8兆円ぐらい穴が開き、消費税にすると3%下げるのと同じくらい税収が減る。国民民主党は178万円に上げると簡単に言っているが、実は大規模な所得減税。働いている人の手取りが増えて、ゆとりが生まれ、それが消費に回ればいいなという効果が期待できる」としつつも、税収減を埋めるべく、国民民主党は「働く世代のためにやっているなら、例えば高齢者の医療費の負担を増やして、財源を持ってくるなど、なにか代替案を考えなければいけない」とも話す。
反対に、今回自民党が出した案は「年収が200万円以下の人の非課税額を160万円にしよう、所得が低い人にだけ壁を引き上げて、そこから上はあまり上がらない。減税効果は1000万円の年収だと国民民主案だと22万8000円だが自民案は2万円。自民案は再分配の効果、つまり所得の高い人から税金を今まで通りとって、低い人に回してあげるという効果の方が強い。国民民主の減税案とはかけ離れすぎている案だ」と説明。
結果として、与党は維新と手を組んだ。「予算を通すために、どこかと協力しないと通らない。自公だけでは過半数を持っておらず、最初は国民民主党と“103万円の壁”を協議していたが、維新の共同代表が前原誠司氏になった。それにより、石破茂総理と前原氏の関係が良いことから、関係が寄ってきた。赤坂の議員宿舎で、前原氏と石破氏は極秘に何度か会談したりして一緒にやりましょうと、教育無償化を飲むことに。決着まではしていないが、ほぼ合意に至った。国民民主党の案を『丸のみする必要はない』と、塩対応な状況になり、国民民主党は怒っている状況だ」。
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