雁木の出だしから力戦へと発展した一局は、永瀬九段に目立つようなミスがあったわけではない。それでも藤井王将が踏み込めば着実に開いていく形勢の差。「序盤が損しているのか、相場なのかが判断がつかなかったので、その点は反省点。難しい局面が長く続いていたと思うが、急に悪くなってしまったような気がする。もう少し上手くバランスを取りたかった」。力なく肩を落とした永瀬九段は120手で投了を告げ、シリーズの幕が下りることとなった。
若き絶対王者とのタイトル戦は4戦全敗。それでも永瀬九段の視線の先には常に“藤井聡太”がいる。本シリーズでは藤井王将と初めて2日制を指したとあり、「やってみないとわからない発見というものも多くある。藤井王将と対局しないと発見できなかった反省点も多く見つけることができた。自分にとって良い成長の糧になっている」と収穫を強調した。
約1カ月後には、名人挑戦者として再び藤井王将と七番勝負を戦う。「今回の王将戦は結果は残念ではありましたが、引き続き2日制の感覚を引き継いで。また名人戦で対局できますので、そちらも集中したい」。永瀬九段の闘志が燃え尽きることはない。
(ABEMA/将棋チャンネルより)
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