1966年、ビンディン省で撮影された写真
そして、象徴的な一枚を紹介した。倒れている母親のそばで泣いている子どもたちの写真だ。「私はたくさん写真を撮ったけれど、親が亡くなって子どもがなげいている。夫が亡くなって妻がなげいている。いっぱいいます。沖縄の言葉で命こそ宝、『命どぅ宝』という言葉があります。死んでしまえば、それで終わりです。ベトナムでは大勢の人が死んだけど、本人が死ぬだけではなくて、自分の子どもや孫に命をつなげていくことができない、戦争というのはそういうものです」。
講義の後、ベトナムの大学生は「涙があふれてきました。戦後生まれの私たちにとって、より、ベトナムのことがわかる貴重な記録だと思います」と話した。また、文洋さんは「非常に良かった。こういうことになるとは想像もしていなかった。生きていた甲斐があった」と語った。
枯れ葉剤の影響を受けた人たちが暮らす施設
