そんなカトリック教徒14億人を導く最高指導者、ローマ教皇は、これまで2度来日。1981年にはヨハネ・パウロ2世が、2019年にはフランシスコが広島や長崎を訪れたあと東京ドームでミサを行い5万人が参加した。その発言は大きなニュースになるほどの影響力を誇る。

 では今回、第267代ローマ教皇となったレオ14世は世界にどんな影響を与えるのか。松本教授によると「レオ14世」を名乗ったことに大きな意味があるという。

「19世紀後半にレオ13世という教皇がいて、この人がものすごく重要人物。どういう意味で重要かというと、階級闘争ではなくて階級協調」(松本教授)

 労働者階級による革命を目指したマルクス主義が台頭した時代、レオ13世は闘争よりも協調を説いた。「(レオ13世は)資本家に対して、一生懸命働く労働者たちから搾取しないで『慈悲をもって接しなさい』と、それは社会的責任なのだと、キリスト教徒としてのやるべきことだと。貧しい人に寄り添うという考え方が近代的な理念として出てきた。レオ14世を名乗ることは『僕はレオ13世をお手本にしている』という意味」(松本教授)

史上初アメリカ出身の新ローマ教皇
この記事の写真をみる(2枚)