この謎に満ちた選挙は、キリスト教に詳しくない人にとってはさらに謎だ。しかしながら、なぜこれほど盛り上がっているのだろうか。

 神父の大西勇史氏は「教皇は私たち信者にとっていてくれることがとても大切。それは象徴と言ってもいいかもしれない。亡くなられていなくなったということはもう大事件。逆に言うと、また新しく選ばれたということは、またいてくれるという状態が始まったということで、すごく喜ばしい」と語った。

 そんな大切な教皇を選ぶコンクラーベについて、大西神父は「適切な例えかわかりませんが、例えば世界中にキャンパスを持つ規模の大きいカトリック学園があったとして、それの総生徒会長を決めるみたいな。各キャンパスに生徒会長はいるが、バチカンの本校で各校の生徒会長が全員集まって、部屋に鍵をかけて総生徒会長を決める会議。コンクラーベと私たちの距離感というと、我々は日本キャンパスで良い方が選ばれますようにと祈りながら見守っているという感じ」と説明した。

 ローマ・カトリック教会組織の階層は順に「教皇」「枢機卿」「大司教」「司教」「司祭」「一般信徒」となる。そして教皇選挙は、バチカンの国家元首を選ぶ選挙でもある。

 システィーナ礼拝堂の一室に集まった133人の枢機卿たちの投票により、3分の2の票が集まれば教皇決定となるが、票数が満たない場合は何度でもやり直す。決定するまで枢機卿たちは、システィーナ礼拝堂から出ることはできない。そして、決まらないと黒い煙が上がり、決まると白い煙で知らせるのが伝統だ。

カトリックとプロテスタントの違い
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