しかし、緊張度が高まっていたのは、むしろアメリカとイランとの間。安全保障上の懸念を理由に、イラク、バーレーンとクウェート3カ国の大使館職員らの退避が進められていたという。これは、6月12日、イスラエルによるイラン攻撃の前日の出来事だった。
4月からアメリカはあわせて5回、イランとの核交渉、つまりイラン側の核開発停止を求めていたが、イラン側の譲歩を引き出せず交渉は難航。トランプ大統領は応じないイランに対し、武力行使の可能性も示唆していた
「(イランは)核兵器保有にかなり近付いている。厳しい措置を取らないといけない場合、我々はそうするだろう」(トランプ大統領)
これに対しイラン側も応戦。「協議が成功せずに我々に対して紛争が仕掛けられれば、より多くの被害が出るのは相手の方だ。(中東地域の米国の)すべての基地は我々の射程内にあるからだ」(イラン・ナシルザデ国防軍需相)
一触即発の状態のまま、6回目の交渉が15日に予定されていたが、イスラエルの攻撃はまさにその隙をついた形となった。なぜこのタイミングとなったのか。様々な憶測が飛び交うなか、舛添氏は「イスラエルに大義名分を与えてしまった」と語る。
イスラエルとイランの武力衝突の背景
