イランは1979年のイラン革命以来、イスラエルを国家として認めていない。イスラム教徒が98%を占めるイランにとって、イスラエルはイスラム教の聖地、エルサレムを奪った「イスラムの敵」。パレスチナに民族自決を求める立場から、ガザ紛争でイスラエルと戦うハマスを全面支持。これまで、イランとイスラエルは2度、攻撃の応酬があった

 2024年4月、イスラエル軍とされる戦闘機によって、シリアのイラン大使館領事部が空爆。これに対し、イランは200以上のミサイルやドローンで攻撃。7月にはテヘランでハマスの最高幹部が爆発によって殺害。イランはイスラエルによるものとし、180発以上のミサイルをイスラエルの空軍基地などに撃ち込むなど、一触即発の緊張感は続いていた。

 さらに、レバノンを拠点とするイスラム教シーア派組織「ヒズボラ」の弱体化やシリアではアサド政権が崩壊するなど、イランを後ろ盾とする反イスラエル勢力「抵抗の枢軸」の力が中東で急速に弱まっていることもイスラエルにとってはイランを叩く好機と捉えたのかという見方もある。

イスラエルの攻撃を受け、イランが報復
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