■盲目のシングルマザー、息子への思い

【写真・画像】難病ALSの夫、出産、子育て…涙の苦悩と葛藤を乗り越えて「辛い日々があったから今がある」 私にしかできない“幸せ”の選択 3枚目
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凌久さんの母・石川智美さん(41)

 智美さんは、目が見えていたころの感覚を頼りに家事をしている。洗濯物や食事の準備など、手探りで確認しながらこなしていた。料理が出来上がると、2人は今日あったことや明日の予定について話しながら食事をする。

 智美さんは、いわゆるシングルマザー。視力が落ち始めたのは20歳のころで、当時は美容師として働いていた。

「6年しか美容師は携わっていないんですけど、楽しい絶頂の最中だった。見えていたものが見えなくなって、今までやれていたことってできるのかなって思いましたね」(智美さん)

 24歳の時に凌久さんを妊娠。出産前に右目を失明し、凌久さんが2歳の時、全盲になった。

「出産をして、そのあと子育てが始まって、段階を踏んでくとともに病気も進行してきたので、やっぱり格闘ですよね。自分も見えなくなるし、子供は成長していくし。できる範囲で自分もやってあげたいのはやってあげたいんだけど、できることも限られているし」(智美さん)

凌久さんが産まれた日のメッセージ
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