白熱の終盤戦では、伊藤叡王が残り時間の半分を使ってタダ捨ての桂の勝負手を放った。それに対し、藤井王位は桂馬を角で取る手や自陣に銀を打つ手など候補が多数ある中で、意表の銀引きを決断。これに、村中七段は「サーカスのような手順。直前まで自玉を支えていた銀だったが、一転して引くという判断は難しい一手。駒をぽろぽろと取らせてしまうものの、歩と温存していた持ち駒の銀の一発で仕留めるという…」とその構想力に言葉を失うと、屋敷九段も「伊藤叡王も、銀引きから(敵陣に放った)歩の一撃だけで倒れているとは…という感じでしょうね」と圧倒された様子だった。
村中七段は、「伊藤叡王が終盤に見せた組み立ては、逆転してもおかしくないほどの迫力があった。それでも藤井王座は3手連続の長考でしっかり見切って逆転を許さなかった姿が印象に残った。最後はいつ見ても鮮やか。藤井王座らしい勝ち方だったと思う」と総括。ファンも「マジックだったか」「凄いなプロは」「マジでハイレベル対局」「エグっ!!」と大興奮の様子だった。
まだまだ続く、将棋界の若きトップランナーの激突に期待は高まるばかり。注目の第2局は9月18日に兵庫県神戸市の「ホテルオークラ神戸」で行われる。
(ABEMA/将棋チャンネルより)





