■原爆資料館に展示される「被爆遺品」
原爆資料館
年間200万人以上が訪れる広島市の原爆資料館。開館以来の累計来館者数は2025年で8千万人を超えた。薄暗い館内には、多くの写真が並ぶ。あの日、キノコ雲の下にいた「被爆者」の視点で構成されている。
6歳で被爆した元原爆資料館長の原田浩さんは「私が被爆した状況はほとんどすべてがこういう状況だった。私が逃げるために多くの人の命を奪ったんじゃないかという気持ちがつらい。当時を思い出すとね……」と話す。
展示の中心は「被爆遺品」だ。13歳の男の子が食べるはずだった「お弁当」、被爆死した中学生が着ていた「学生服」、黒焦げになった「三輪車」には3歳の男の子が乗っていた。それぞれにいたはずの持ち主は、理不尽にも突然命を奪われた。
見学者は「実物を目にしたら『やっぱりものすごいことが起きていたんだ』と私らでも思うから若い人や子どもたち、外国の人たちがもっといろいろ知って自分の国に帰ったときにいろんなことを言ってほしい」と願う。
“実物”を重視する展示に
