土田氏は「多くの殺人事件は、怨恨なのか、物盗りなのか、だいたい現場の状況等から推察できる。しかしこの事件は未だに『なぜ宮沢さん宅を狙ったのか』『なぜ21世紀になる24時間前の犯行だったのか』、現場の状況も『どこから入り、どこから出たのか』など明確な状況判断ができていない。動機がつかめていないところが、捜査の混乱性をいまだに高めている」と説明する。
犯人をめぐっては「日本人ではないのではないか」との指摘もある。「私がこの事件に接したのは、鑑識課の検視官の時だった。当日は別の用をしており、死体の解剖には立ち会わなかったが、解剖写真の報告を受けた時、直感的に『殺し方が日本の文化・教育を受けた人間ではない』と感じた。被害者をいたぶるような傷の付け方で、『これは日本文化の影響を受けた人間の仕業ではなく、やはり外国人の感覚だ』」。
そして「外事警察に携わった関係で、グローバル的な感覚で考えると、21世紀に変わる24時間前の犯罪であることに引っかかった。単に日本国内の犯罪にはとどまらない感覚を受けた」と振り返る。
犯行後の不可解な行動は時間調整のためか
