亡くなった宮沢さん一家
【映像】犯人が現場に残した遺留品の数々(実際の映像)
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 12月13日、東京・世田谷区で「世田谷一家殺害事件」の解決を願う集会が開かれた。発生から25年がたち、当時は生まれていなかった生徒たちも参加し、解決に向けた世代を超えた連帯を強めた。いまだ犯人の手がかりさえつかめていないが、希望もある。26年目で容疑者逮捕となった「名古屋主婦殺害事件」の被害者遺族、高羽さん親子の戦いが一筋の光を照らす。

【映像】犯人が現場に残した遺留品の数々(実際の映像)

 残忍な犯行と、犯人の不可解な行動。犯人は多くの証拠を現場に残しているが、いまだ解決には至っていない。事件解決に向けて、遺族らとともに活動を続けてきた中心人物が、元警視庁・成城警察署署長の土田猛氏だ。発生直後から事件に関わり、所轄の警察署長として捜査を指揮。在職中すべてをこの事件解決に費やした。

 土田氏は、事件発生から7年後の2007年に未解決のまま定年退職しても、一貫して遺族の立場に立ち、遺族に寄り添い、風化はさせないと活動を続けてきた。殺人事件被害者の会「宙(そら)の会」を結成し、殺人罪の時効撤廃の実現をけん引した。

 退職後も遺族に向き合う理由は、「警視庁から託された立場、そのことが解決に至らなかった。しかも事件そのものが、これだけ多くの証拠が残っている。それで警視庁をあげて捜査をしても解決に至らない。なんとしても、辞めたからと言って『後進に譲ります』というわけにはいかない」と説明する。

世田谷一家殺人事件の詳細
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