■ 「東大生の大半は受験後遺症に苦しんでいる」

澤氏
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 自らも受験活動を通じて自己評価の問題に向き合ってきた精神科医の澤氏は、自身の経験を振り返った。「小学校4年生で全国模試1位を取ったことで親の期待が過熱した。5年生で成績が下がると、塾の成績表を見るのが怖くてポストが流れてしまえばいいとすら思った。母から『情けない』と言われ、成績を保つために塾でカンニングをするまで追い詰められた。当時は勉強ができないと愛されないという感覚に陥っていた」。

 これに対し、東大卒である作家の西岡壱誠氏は「中学受験の塾でカンニングする子は非常に多い。親に100点を見せないと怒られるからと、採点者に『赤ペンではなく消せる黒鉛筆で丸付けをしてくれ』と頼む子もいる。親の期待に応えるために、学力を高く見せようとする歪みが生まれている」と語る。

 また、「東大に入っても受験後遺症に苦しんでいる東大生は非常に多い。例えば私の友人は中学校、高校でトップの成績を収め、東京大学に合格したが、大学2年生のときにうつ病になった。理由を聞くと、弁護士資格の予備試験に落ちたからだという。20歳にして試験と呼ばれるものに初めて落ちたことで、全てが狂ってしまったと話していた。合格して一見うまくいった子の方が、実は激しく苦しんでいる場合がある」との見方を示した。

■ 親の不安が子どもを追い詰める背景
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